プレゼンは、自分の伝えたいメッセージについて聞き手を納得させ、商品や企画、提案などを効果的に認知させる為には欠かせないものです。なかにはプレゼンに苦手意識を持つ人もいるかもしれませんが、それは正しい構成を知ることで解決できます。スティーブ・ジョブズや孫正義などプレゼンの達人といわれる人々のプレゼンには、一定のパターンがあるのです。このパターンに則って構成を行うことで、誰でも効果的なプレゼンができるようになります。
何が言いたかったの?ヘタなプレゼンってどんなの?
プレゼンの上手い下手は、聴衆の反応に直結します。どんな内容のプレゼンが理想といえるのか、まずは失敗例から学んでみましょう。ここでは全国の男女にアンケート調査を実施し、プレゼン下手な人だと思われるプレゼンの特徴を挙げてもらいました。
構成にまとまりがない、話が単調など……辛口の意見が続々と!
- 淡々と説明ばかりの報告が続くとき。人を引きつける話し方や仕掛けがない時(40代/男性)
- 一番いいたいことが伝わってこないプレゼン。資料がまとまっていないプレゼン。(20代/女性)
- まずは声が小さく、早口。見ているこちらまで緊張が伝わってくるような姿勢や佇まい。内容はどうかと言えば要らない話が多く、何を伝えたいのか明確なメッセージが伝わって来ない。そんなプレゼン。(50代/女性)
- 書類に目を向けっぱなしで、相手を見ていないプレゼン。(30代/女性)
- 内容が薄い、聞き苦しい、話の順序構成がスムーズな理解を妨げている、何が重要かが印象に残りにくい、などかな?(40代/男性)
- 話している相手が退屈するような固い内容(20代/男性)
【質問】
「プレゼンヘタだなぁ」と思うのはどんな内容のプレゼンですか?
【回答結果】
フリー回答
【アンケート概要】
調査地域:全国
調査対象:年齢不問・男女
調査期間:2017年03月10日~2017年03月16日
有効回答数:200サンプル
話にまとまりがなく何が言いたいのかわからない、構成が論理的でない、話が単調など、さまざまな意見が寄せられました。また内容だけでなく、目線や声の大きさなど話し手の態度もよく見られていることがわかります。いずれにせよ伝わらないプレゼンでは、聞き手はうんざりしてしまうようです。自信を持って堂々と話せるよう、まずは構成に磨きをかけることが大切かもしれませんね。
なぜうまくいかない?NGなプレゼン構成
プレゼンをするときは、まず構成をしっかり練り込むことが大切です。ここではまず反面教師として、ダメなプレゼンにありがちな特徴を3つ紹介します。
- 内容にまとまりがない
話の内容が非論理的で、まとまりのないプレゼンは、テーマが伝わりにくくなります。
序論、本論、まとめ、のように論理的に構成することを心がけましょう。
また内容の詰め込みすぎも、まとまりのなさの原因になります。
あれもこれもと内容を盛り込みすぎると、かえって聞き手の印象に残らなくなります。
「結局何が言いたかったの?」と言われないためにも、プレゼンのテーマは1つに絞りましょう。 - 話にメリハリがない
最初から最後までだらだらとしゃべり続けてしまうと、聞き手の集中力が持ちません。
話し方のスピードなどに緩急をつけつつ、なるべく簡潔な説明を心がけましょう。
言葉だけに頼るのではなく、資料やグラフをつけて、わかりやすさに配慮することも大切です。 - 聴衆の反応を考えていない
聞き手の心に残らなかったらプレゼンの意味がありません。
聞き手に「興味深い」と思わせるためにも、話の流れに意外性をもたせる、新しい提案で興味を引きつける、ユーモアや親近感を感じさせる話をする、などの工夫が必要です。
わかりやすいプレゼンにしたい!内容を整理しよう
よいプレゼンの特徴は、わかりやすく、論理的であるです。論理の流れに飛躍がでないよう、まずは内容を論理的思考に基づいて整理していきましょう。ここでは論理的思考に欠かせない発想を3つ紹介します。
- 5W1H
「いつ(When)、どこで(Where)、誰が(Who)、何を(What)、なぜ(Why)、どのように(How)」という6つの要素をまとめたものを5W1Hといいます。
5W1Hは情報伝達の基本原則の1つといわれており、これに沿って情報を整理していくと、簡潔でわかりやすい説明ができます。
人に正確に情報を伝えるためにも、まずは5W1Hを意識しましょう。 - 演繹法
仮定から論理的に推論を導くことができる思考方法で、三段論法とも言われます。
「AだからB、BだからC、ゆえにAはCである」といったように複数の客観的事実や情報を前提として、そこから推定される結論を導き出します。 - 帰納法
演繹法の対になる推論のやり方として、帰納法があります。
帰納法では観察したたくさんの事実や事例から、共通点や類似点をまとめ上げることで結論を導き出します。
統計結果などに基づいてそこから読み取れる傾向をまとめるときなどに使います。
ぜひ覚えておきたいプレゼンの構成パターン
プレゼンにはいくつかの構成パターンがあります。プレゼン上手になりたいなら、これらを覚えるのが近道です。ここでは代表的な構成パターンを5つ紹介します。
- 三部構成
プレゼンの基本ともいえる構成です。
イントロダクションで、親近感の持てるエピソードや内容の簡単な予告などで聞き手の興味を引きつけた後、ボディで伝えたいテーマを語り、最後にクロージングで全体のまとめを行います。 - SDS法
結論を先に述べるため、伝えたいテーマを明確に打ち出すことができる構成です。
最初に要約(Summary)で内容全体を要約し、詳細(Detail)でその詳細を述べ、再要約(Summary)で最初の要約とは別の言葉で内容全体を要約します。 - PREP法
理由や具体例を交えつつ、じっくりと話を進められる構成です。
要点(Point)でプレゼン内容のポイントや結論を述べたあと、理由(Reason)でその理由を述べたうえで具体例(Example)を出し、最後にもう1度、要点(Point)で結論を繰り返します。 - DESC法
自分の意見や要望を相手に伝えるときに役立つ構成です。
描写(Describe)で客観的に現状を描写したあと、表現(Express)で現状に対する意見や問題提起を表現し、続く提案(Suggest)でExpressに対する解決方法の提案、結果(Consequence)でSuggestによってもたらされる結果について述べます。 - FABE分析
商品の売り込みなどのセールストークや企画提案時に効果を発揮する構成です。
特徴(Feature)で、機能や品質、使用など事実に基づく情報を、優位性(Advantage)でFeatureの利点を、顧客便益(Benefit)で利点がどのような収益をもたらすか、証拠(Evidence)ではデータやレポートなどで具体的な証拠を示します。
プレゼン力を共有していこう
プレゼンはテクニックです。話下手な人でも、構成のパターンを覚えることでわかりやすいプレゼンをすることは十分に可能です。まずは伝えたいテーマを1つに絞り、内容の取捨選択を行うようにしましょう。そして論理の流れに沿って中身を整理したら、今度は三部構成やSDS法などのパターンを落とし込んでいき、意外性や斬新さ、ユーモアなどを話に織り込む型を作れれば、分かりやすく伝わるプレゼンを完成させることができるでしょう。
自分のプレゼン力が身に付いてきたら、ナレッジを社内で共有し、みんながプレゼンを上手くできるような体制を作っていきましょう。社内でナレッジを共有することで、共通の認識やスキルを持ち合わせることができ、より良い組織づくりを目指せます。当社の提供するオンラインストレージサービス「Fleekdrive」は、ナレッジを共有するツールとしても有効です。実際にナレッジを共有するために利用している事例がありますので、ぜひ参考にしてみてください。
導入事例 株式会社ベネッセコーポレーション