企業のストレージサーバには、重要な個人データを始めとして、テキストファイルだけでなく画像や動画などの重いデータを保存している企業も多いのではないでしょうか。 普段、各部署が業務で使用するファイルやフォルダは、年々蓄積されることで、過去のファイルを探すのにも一苦労、という話もよく耳にします。今回は、クラウドストレージを活用することで、大企業における膨大な情報でもデータ整理を行える方法を解説します。

大企業におけるデータ管理の課題

大企業においては保存すべきデータが膨大となるため、データ管理にはさまざまな課題があります。ここでは、大企業におけるデータ管理にはどんな課題があるのかについて解説します。

セキュリティ対策

セキュリティ対策は、特に大企業にとって最も重要な課題です。社内の情報だけでなく、顧客の取引情報や個人情報がもし流出するようなことがあれば、営業停止を被る可能性もあります。どのようなシステムで機密情報を保護するか、どのレベルのセキュリティ対策を講じるかが重大な確認ポイントとなってきます。取り扱うデータの性質や会社の規模、また予算によって適切なセキュリティ対策を慎重に検討し導入することが重要です。

管理コストが年々増加する

管理すべき保存データは年々増大していきます。同時に外部からの攻撃に備えるためにはセキュアにデータ管理をしなければならず、そのコストがかかります。さらに、データを有効活用するためには、さまざまなアプリケーションやシステム連携を図る必要もあります。そのたびに、膨大なコストがかかるという課題が生じています。データ容量が増加するにつれ予期せぬリスクをかかえないためにも、計画性を持って効率的にデータ管理を行うための施策を講じる必要があります。

データ探索に時間がかかる

大企業では保存されている情報が大量のため、データ検索に時間がかかってしまうというケースがあります。もし、ファイルなどの閲覧方法や修正ルールを細かく規定していなければ、データの修正や移動などにより必要なデータがどこかへ行ってしまうことも起こりかねません。保存するデータが大量なほど、厳しく管理される仕組みづくりが重要です。

クラウドストレージがデータ整理に最適な理由

ここまでデータ管理の課題について解説してきました。それでは、クラウドストレージを採用するとデータ整理になぜ最適なのでしょうか。

操作性の良いUIと軽快なファイル操作が可能だから

社員とファイルサーバーの管理者が使いやすいUI(ユーザーインターフェース)とは、以下のような特徴を有しています。

  • 従来のフォルダ構成から大きく変更がないこと
  • 直感的なアクションで操作できること
  • 使い慣れた馴じみ深い画面レイアウト

これらの特徴を備えたクラウドストレージを選定すれば、導入直後でも生産効率を維持でき、運用ルールが定着しやすいでしょう。最近のクラウドストレージサービスでは、フォルダやファイル名、属性による検索機能や全文検索の機能を備えています。ユーザーエクスペリエンスを向上させるため、クラウドストレージサービスは日々進化し、さまざまな機能や性能を向上しています。

管理コストを抑制できるから

クラウドストレージサービスを導入することで管理コストを抑制できます。サーバーの管理や、最新のセキュリティ対策などは基本的にクラウド事業者が担ってくれます。特に以下のような大規模プロジェクトを運営している大企業では、サーバーの管理コストを大きく削減できるでしょう。

  • 大量の個人情報を保管する企業
  • 巨大なECサイトを運営している企業
  • クラウド型のアプリを提供している企業

サーバーの管理コストだけでなく、設置環境を整えるための設備コストや電気代や空調代、データーセンターの場所代なども削減できます。

強固なセキュリティ対策を実現しているから

リモートワークなど多様な働き方が推奨される現代において、社外よりシステムへアクセスして業務を行うケースが多くなりました。これに伴い、これまでとは異なった強固なセキュリティ対策が求められるようになりました。クラウドストレージサーバーを提供する事業者の多くは、強固なセキュリティ対策機能をサービス提供の基本としています。重要データを管理するための目的の一つであるセキュリティリスクの回避について、一定の品質を保つ対策が施されているのです。基本的なセキュリティ対策に加えて、インシデント発生時に「いつ、誰が、何のファイルを操作したか」を即座に特定できる「ログ管理機能」も搭載されています。

最適なファイルの管理方法とは

データ管理に優れたクラウドストレージサービスを導入しても、社員が使いやすい運用方法を規定しなければ意味がありません。ここでは、効率的なデータ整理を行うためのファイルの管理方法について解説します。

体系的なネーミングルールにする

データのネーミングは、体系的なルールにすることで運用が効率化されます。体系的とは、一定の決まりや原則に従ってまとめる、統一的にするなどの意味があります。ファイルやフォルダネーミングは、一貫性があり特徴的でなければなりません。また、分類しやすいルールで簡単にデータを見つけられるような規則にする必要があります。名前や日付の間にはアンダースコアを使用するなど、見やすいルールを適用すると良いでしょう。

ファイル名を短くする

ファイル名を短くすることも重要です。ファイル名を長くしてしまうと、分かりづらくなりファイルを見つけづらくなってしまいます。 日付を使用する場合は、ファイル名の最後か最初に記載するなど一貫したルールを規定しましょう。
たとえば、以下のようなことを組み合わせてネーミングします。

  • プロジェクト名
  • 日付(yyyymmdd)
  • バージョン番号(例:v01)
  • サイトの位置に関する情報
  • 作成者のイニシャル

ファイルのバージョン管理を統一化

ファイルのバージョン管理を統一することも重要です。 ファイルが古くなった場合、上書きせずにファイル名のバージョンを変更して新しいファイルを作成します。上書きしてしまうと過去のファイルが閲覧できなくなることや、どの部分が新しくなったのかを後から確認できなくなってしまうからです。ただ現在、同じ名前でファイルを上書きしてもバージョンを戻せたり、変更した箇所を特定できたりする製品もあります。使い勝手のよいサービスを選定することで、ファイルをより管理しやすくなるでしょう。

データディクショナリの作成とカテゴリを標準化

データディクショナリとは、データ項目の名称、意味、種類、所在などをまとめた辞書のことです。クラウドストレージへアクセスする全社員がデータディクショナリを閲覧することで、カテゴリを標準化でき、データ検索をより効率的に運用できるようになります。

まとめ

大規模プロジェクトのデータ整理は、クラウドストレージを利用することでデータ検索に時間がかかることや、管理コストの課題を改善できます。さらに、操作性の良いユーザーインターフェースとファイル操作を軽快に行えるメリットもあります。また、ファイル名を短くするなど体系的なネーミングルールを徹底することで、より効果的にデータ整理や管理を行うことができます。
Fleekdriveでは大規模プロジェクトにおけるデータ整理を効率化するための機能が豊富に備わっています。直感的なユーザーインターフェースとファイル操作により、簡単にデータの整理や検索ができます。さらに検索機能やタグ付けシステムを活用することで、膨大なデータを効率的に管理できます。これを期に、クラウドストレージにおけるデータ管理を検討されてはいかがでしょうか。