データのやり取りにメールの添付ファイルを利用している人も多いのではないでしょうか。相手に気軽にファイルの送信ができる添付ファイルですが、添付するファイルの種類や個数によっては注意が必要です。送信しようとするファイルの容量が大きい場合、メールの送受信がうまくできないなどのトラブルが発生します。相手に迷惑をかけないためにも、メールの送信時には添付ファイルの容量に気を遣うようにしましょう。

知って安心!正しい大容量ファイルの送り方

メールの送受信サイズには制限があり、一定以上のデータ容量を持つメールは受け取れないようになっています。そのため、容量が大きいファイルを添付ファイルで送ろうとしてしまうと相手がファイルを受け取れない可能性が出てきます。もし受け取ってもらえたとしても、ファイルのダウンロードに時間がかかるなど相手に余計な手間をかけることになりがちです。したがって、音楽や画像データといったもともとの容量が大きいデータ、あるいは複数のファイルをメールで送りたいときは、相手への十分な気遣いが欠かせません。
添付ファイルの容量が大きくなってしまったときは、次のような対策を試してみましょう。
1つ目は添付ファイルの容量を小さくする方法です。ファイルの種類によっては圧縮によってデータの容量を小さくすることができます。画像ファイルを送る場合には、解像度を下げる、画像サイズを縮小するといった方法が使えます。
2つ目はクラウドサービスを使ってデータをやり取りする方法です。クラウドサービスでは、一度クラウドサーバー上にファイルをアップロードすると、インターネットを通じてどこからでもそのデータにアクセスできるようになります。同じクラウドサービスを利用しているユーザー同士であれば直接ファイルの共有ができますし、相手にメールでダウンロードURLを送り、そこからデータをダウンロードしてもらうことも可能です。
3つ目はファイル転送サービスを利用する方法です。クラウドサービス利用時と同じように、ファイルをファイル転送サービスのサイト上にアップロードし、ダウンロードURLを相手に通知して利用します。

容量だけを小さくできる!圧縮ファイルを使う時の注意点

容量の大きなファイルを直接メールに添付する方法があります。それがデータの圧縮です。データをZIPなどの形式に圧縮すると、もともとの内容を保持したままデータの量だけを減らすことができます。圧縮したデータは解凍(展開)という操作をすれば元の状態に戻すことができます。ファイルを圧縮してメールで送ることには、データにパスワードがかけられる、複数のファイルやフォルダを1つにまとめられるといったメリットがあります。また、外部サービスを経由せずにファイルを送れる手軽さも魅力かもしれません。ただし、圧縮ファイルの使用にあたっては知っておくべき注意点が2つほどあります。1つは相手側の事情によってはファイルを解凍できない可能性があることです。圧縮ファイルの形式や相手のOSによってはファイルの解凍がうまくいかないことがあります。圧縮ファイルを送るときは解凍できるかどうか相手に確認してから送るようにしましょう。
もう1つは、ファイルによっては圧縮しても容量が小さくならない場合があることです。ファイルの中には画像や音楽ファイルのように、もともと圧縮されている形式のものが存在します。こうしたファイルをあらためて圧縮しようとしても容量はあまり変わりません。また、元のデータが大きすぎる場合にも、圧縮してもまだデータ容量が大きいという現象が起こりえます。もし圧縮してもデータ容量が思うような大きさにならなかったときは、クラウドサービスやファイル転送サービスを利用することを考えるべきかもしれません。

大きいサイズのファイルを圧縮せずに送ることってマナー違反?

大容量ファイルをそのまま添付ファイルにすることについて、世間の人々はどのように考えているのでしょうか。圧縮しないままの状態で送ってもいいものなのか、全国の社会人男女を対象にアンケート調査を実施しました。

【質問】
大きいサイズのファイルを圧縮せずに送ることはマナー違反だと思いますか?

【回答結果】
思う:68
思わない:32

【アンケート概要】
調査地域:全国
調査対象:【職業】パート・アルバイト 個人事業主 公務員 正社員 派遣社員 経営者
調査期間:2017年07月06日~2017年07月13日
有効回答数:100サンプル

できれば圧縮してほしいという声が多数

調査の結果「大容量ファイルは圧縮するのがマナー」と考えている人が全体の7割近くに上ることがわかりました。

  • 送る前にメール等で連絡しておいた方が良いと思います。(59歳/男性/公務員)
  • 容量が大きすぎると受信にとても時間がかかってしまうから、マナー違反だと思う(38歳/男性/正社員)
  • ファイルを圧縮せずに送ると、重すぎてパソコンの動きが遅くなり、業務に支障が出ることもある。その辺のところは気を使って圧縮したものを送るべきだと思う。(53歳/女性/派遣社員)

メールの受信によって業務に支障が出る、せめて相手に確認してから送るべきなど、大容量ファイルを圧縮しないで送ることについては、否定的な意見を持つ人が目立ちます。一方、ファイルを圧縮しないのは必ずしもマナー違反とは言い切れないと考える人も。

  • むやみに圧縮しても、解凍できず開けないこともありそうなので。(43歳/女性/正社員)
  • 圧縮に失敗して壊れたファイルを送ってしまってトラブルになったことがあるので、なるべくなら圧縮したくないが、こればかりは送り先次第です(38歳/男性/パート・アルバイト)
  • 圧縮することによって元データが劣化することが考えられ、先方から再送付を依頼されるなど、二度手間三度手間になることが考えられるため(42歳/男性/個人事業主・フリーランス)

ファイルの圧縮にも問題点はあると指摘する人が目立ったのが印象的でした。
大容量ファイルの受け渡し方法については、人によってさまざまな意見があるようです。ファイルを圧縮する・しないも含め、送信先と相談しながら決める必要がありそうですね。

知っておきたいビジネスマナー!添付ファイルの容量は2MB以下に

メールに関するビジネスマナーとして「添付ファイルの容量は2MB以下に」というものがあります。相手側の許可があらかじめ取れている場合を除き、2MBより大きいサイズの添付ファイルは送らないほうがマナーとしては正しいと言えるでしょう。2MBという具体的な数字には根拠があります。会社のメールではメール1通の受信サイズが最大3MBに設定されていることがあります。そのため、添付ファイルのサイズを2MB以下にしておかないと、相手がメールを受信できないリスクがあります。しかも、データ容量の大きいメールはダウンロードにも時間がかかります。パソコンの動作が遅くなってしまい業務に支障が出るなど相手に迷惑をかけてしまうことがあるのです。
基本的に、容量が大きいサイズのファイルはメールで送るのには向いていません。2MB以下にファイルを圧縮して送るか、圧縮できないときはメールで直接送る以外の方法を考えましょう。クラウドサービスやファイル転送サービスを利用すれば、容量の大きいファイルであっても問題なく相手に送信できます。ただし、これはあくまでも原則であって、相手側が受信可能な環境にあり、かつ相手の了承を得ているときはこの限りではありません。メールの送受信サイズは使用中のメールサービスによっても変わってきます。2MB以上の添付ファイルでも問題なく受け取れるケースもあります。
アンケート結果からも分かる通り、人によっては文字化けやファイルの破損のリスクをおそれ、できれば圧縮ファイルのやり取りはしたくないという人もいます。ファイルの受け渡しをするときは相手の都合を考え、もっとも適した方法を考えることが大切です。

ビジネスでもメジャーなGmail!添付ファイルの容量はどれくらい

フリーメールではあるものの、Gmailはビジネス界でよく使われているメールサービスの1つです。実際、仕事関係のやり取りにGmailを使っているという人も少なくないでしょう。
そこで気になるのがGmailにおけるデータの送受信サイズです。普及率が高いメールサービスだからこそ、どれくらいの添付ファイルを送れるのか気になりますよね。
Gmailの場合、受信サイズは50MB、送信サイズは25MBが上限となっています。ただし、Google社のクラウドストレージサービスであるGoogleDriveへのリンクを利用すれば、無料プランで最大で15GB、有料プランでは1TBまでという大容量ファイルを送信することも可能です。GoogleDriveはGmailと同一のアカウントで利用できますので、Gmailユーザーはあらためてアカウントを取得する必要はありません。また、アカウントが要求されるのは送信者側だけなので、受信側がGmailやGoogleDriveを使っていなくても大丈夫です。大容量データのやり取りが比較的簡単にできてしまうのはGmailならではのメリットと言えるかもしれませんね。
もっとも、大容量のメールをやり取りできることにも全くデメリットがないわけではありません。それはメールボックスの容量の問題です。Gmailのメールボックスは15GBの容量がありますが、この容量はGoogleDriveと共通です。大容量メールを頻繁にやり取りしている人、およびGoogleDriveの利用者は、すぐに容量が圧迫されてしまう可能性があります。定期的に不要なメールやファイルを削除するなどして、つねに一定の残り容量を確保するようにしましょう。

容量に注意して!添付ファイルは賢く使おう

書類などのデータをメールの添付ファイルでやり取りする機会は多いですが、大きなサイズのデータを送ってしまうと相手の負担になってしまうことがあります。容量の大きい添付ファイルを送るときは、相手側への配慮が不可欠です。ファイルを圧縮する、クラウドサービスを使うなど、大容量ファイルをスムーズに送る方法はいくつかあります。時には相手の意見も聞きながら、ベストと思われる方法を探してみましょう。