仕事を効率よく進めるためには、書類などの膨大なデータをどのように取り扱うかということも重要です。データの管理や受け渡しがスムーズに行えるのであれば、その分だけ周囲とのやり取りも円滑になります。そこで注目を浴びているのが、インターネット上にデータを保管できるクラウドストレージといわれるサービスです。インターネットさえ使えれば、直接目的のデータにアクセスできる便利さが魅力となっています。
そもそもクラウドストレージとは?
クラウドストレージとは、クラウドを通じて提供されるオンラインストレージサービスのことをいいます。サービス事業者からサーバーのディスクスペースを借り、そこにインターネット経由でデータファイルを保存・保管することができるというサービスです。クラウドストレージの特徴は、インターネット上にデータを保管していることから、インターネット経由で目的のデータにすぐアクセスできるという点にあります。そのため、複数端末でファイルの共有もしやすく、データの受け渡しや移動をスムーズに行うことができます。たとえばメールで送信するのが難しい大容量のファイルも、クラウドストレージサービス上にあるファイルのURLを伝えるだけで、相手と簡単に共有することができます。
またインターネットに接続できる環境であれば、パソコンはもちろん、タブレットやスマートフォンからもファイルを利用することが可能です。代表的なクラウドストレージサービスとしては、Dropbox、Google drive、One drive、iCloudなどがあげられます。ファイル共有機能などの便利な機能があること、さらに自前でファイルサーバーを用意しなくて済むなどのメリットから、ビジネスの現場でも導入が進んでいます。
ビジネスでクラウドストレージを利用したことはある?
実際、日々の業務でクラウドストレージを活用している人はどれくらいいるのでしょうか。全国の男女300名に訊いてみました。
【質問】
ビジネスでクラウドストレージを利用したことはありますか?
【回答結果】
ある:66名
ない:234名
調査地域:全国
調査対象:年齢不問・男女
調査期間:2017年02月24日~2017年03月01日
有効回答数:300サンプル
まだ「ない」派が多数?でも興味がある人は多い模様!
比較的新しいサービスだけに、「まだ使ったことがない」と答える人が多数を占める結果となりました。それでは、まず少数派となってしまった「ある」と答えた人の声を紹介しましょう。
- データのバックアップに使っています。(50代/男性/会社員)
- 数人でプロジェクトを進行しているときに、そのプロジェクト用の共有フォルダを作成し、データや資料のやりとりをしておりました。(40代/女性)
なかには会社全体で導入済み、というケースもありました。みなさん、データのバックアップ目的で使用したり、数人で同じファイルを共有したり、とさまざまな活用法を見出しているようです。では、「ない」と答えた人は、クラウドストレージについてどのように考えているのでしょうか?
- まだありませんが、もうすぐ使う時期が来るでしょうね。(30代/男性/会社員)
- 職場の環境が整っていて、みんなが使いこなしているのであればぜひ利用したいと思います。(20代女性)
多かったのは、「今の仕事で必要ないから使っていない」という人でした。一方、「機会があれば利用する、もしくは利用せざるを得ない」と感じている人も多いようです。このことから潜在的なユーザーはかなりの数にのぼると考えられます。
すでに利用している人はもちろん、まだ必要ないという人も使い方を勉強しておいて損はないジャンルといえそうです。
ビジネスで利用するなら有料版を
今後のビジネスシーンにおいて、ますますの活用が見込まれるクラウドストレージサービス。実際、現在導入を考えている企業・個人事業主も多いのではないでしょうか?クラウドストレージサービスには、機能の違いによって個人向けオンラインストレージ(主に無料)と法人向けオンラインストレージ(有料)のものがあります。プライベートで使うなら無料の個人向けオンラインストレージでも十分ですが、もしビジネスで利用するなら有料の法人向けオンラインストレージがおすすめです。無料版と有料版の大きな違いは、ストレージの容量、さらにセキュリティ対策に現れます。まず無料版はストレージの容量が少ないため、複数人で利用している場合にはすぐに容量が足りなくなってしまう可能性があります。また決算書など大量のデータを長期間保管する必要も出てくるでしょう。こうしたことから業務に支障なくサービスを利用するためにも、容量は多いほうが望ましいのです。さらに有料版の見逃せない特徴として、充実したセキュリティ機能があります。情報の漏えいを防ぐため、アカウント管理機能やログ管理機能といったセキュリティ強化のためのさまざまな機能が備わっているのです。
今すぐ使える!代表的なクラウドストレージサービス
プライベートでの利用に便利なのが、個人向けクラウドストレージサービスです。セキュリティ面で気をつけたいところもありますが、無料プランがあるため初心者でも利用しやすいのが特徴です。代表的な個人向けクラウドストレージサービスとしては、Googleアカウントと連結して使用できるGoogleドライブ、シンプルで使いやすいDropbox、Officeの利用者に便利なOneDriveなどがあげられます。一方、法人向けクラウドストレージサービスは、複数人での使用やビジネス利用に特化しているのが特徴です。有料サービスになるので、ストレージの容量やユーザー数に応じた使用料がかかるほか、別途初期料金がかかることもあります。しかしそれだけにセキュリティ機能強化など個人向けに比べて充実した機能を誇ります。代表的な法人向けクラウドストレージサービスとしては、Dropbox for Business、OneDrive for Business、Google Drive for Workといった各クラウドストレージサービスのビジネス向けプラン、さらに海外で高いシェアを持つBoxなどがあげられます。また、忘れてはいけないのが、セキュリティ面に優れた国産の法人向けクラウドストレージサービスです。多くのグローバル企業に採用されているFleekdrive、セキュリティ会社が運営するセキュアSAMBAなどがあります。
目的ごとに個性豊かなサービスを使い分けて
一口にクラウドストレージサービスといっても、さまざまなタイプのサービスがあります。個人向けと法人向けとでは、同じクラウドストレージサービスでも機能の充実度にはかなりの差があります。プライベートで使うならコストのかからない無料の個人向け、ビジネスで使うならセキュリティや容量の充実している有料の法人向け、といったように、使用目的に合ったサービスを使い分けていくのが賢い方法といえそうです。
関連ホワイトペーパー「オンラインストレージを選ぶ時に大事な5つのポイント」