教員にも働き方改革が必要!

働き方改革の対象者は会社員だけではありません。昨今問題視されているのが教員の長時間労働。多くの教員の労働時間が過労死ライン(※)を超えていると言われています。
そこで、なぜ教員の多くは労働時間が長いのか、現場では何が問題となっているのかを突き止めるべく、現職の中学校教員にお話をお伺いしました。

※過労死ラインとは…1カ月の時間外労働(残業)がおおむね月80時間を超えると、健康障害リスクが高まるとされる目安

現役教師に聞いてみた!

話を聞いた人

  • 渡辺先生(仮名)
    神奈川県某市の中学校教師
    勤続10年を超える中堅
    英語を教えており、部活動も担当している

教師の1日スケジュールは?

  • 8時前に学校に到着。
  • 8時過ぎから教員同士の打ち合わせ。
  • 8:50から15:10まで授業。
    担当の授業がない時間もあるが、休み時間というわけではなく事務作業に追われている。
  • 授業が終わったあとは部活動の指導や職員会議。
    定時の17時に帰れることはほぼない。
  • 授業以外の事務作業も多岐にわたり、19~20時まで残業することがほとんど。
    22時を過ぎることも珍しくない。

このように教員の1日の拘束時間はとても長く、結果として長時間労働となっているのが現状です。
多くの業務を1人でこなさなければならない教員ですが、どの業務の負荷が高いのでしょうか?

返ってきた答えは「部活動指導」でした。

業務負荷が高いのは「部活動指導」

最近では教師の部活動に従事する時間を減らそうという意見もありますが、実際は大会やイベントが近くなると平日の部活動はもちろんのこと、土日も1日中練習に充てるケースがあるそうです。教員はその間つきっきりで生徒の指導をしますし、大会の引率も業務のうち。必然的に部活を担当している教員の労働時間は増える一方です。

このような状況を改善するために、部活指導のすべてを教員に任せるのではなく、部活専門の指導員を導入しようという動きが出てきました。

2017年に文部科学省は外部の人材を学校職員として登用できるように「部活動指導員」を制度化しました。すでに大阪市では2019年までに市立中学校にこの部活動指導員を配置する方針を発表しています。人材の確保や指導員のレベル維持、安全管理など課題が生じる可能性もありますが、こうした取り組みは教員の負担軽減に向けた大きな一歩と言えるでしょう。

実は教員の事務作業は膨大な量

教員は部活指導のほか、事務作業にも多くの時間を取られているそうです。

事務作業の例としては、配布物の作成・印刷、職員会議の準備作業、各家庭への連絡、諸々の書類作成など、挙げればキリがありません。事務作業を代行するスクール・サポート・スタッフを配置する学校も少しずつ増えているようですが、教員の業務を大幅に軽減するまでには至っていないようです。

教員の業務を短期間で劇的に効率化することは難しいですが、出来るところから少しずつ始めてみるのも良いかもしれません。

業務の電子化から進めよう

学校の教員といえば紙に触れる業務がまだまだ多い印象があります。
学校でのIT化が進んでいるとはいえ、職員会議に使用する資料や教員研修で配布される資料などは紙のままです。もう使わないかも…と思いつつも、いつか必要になるかもしれないとなかなか捨てられない紙の資料は、思い切ってスキャンしてデータとして整理するのがおすすめです。

スキャンする手間はコピーを取るのとさほど変わりませんし、何より紙の置き場所が不要になります。紙と違い、不要になった場合にシュレッダーをかける手間がかかりません。さらに、スキャンしたデータをクラウドで管理すれば、後から利用することになった場合もすぐにキーワードで検索ができ、紙をファイリングした場合に比べ圧倒的に便利です。教員同士の資料共有や引き継ぎも簡単にできます。

デバイス連携機能「紙書類をボタン1つでデジタル化」