データ分析は仕事をするうえでとても重要です。しかし、データ分析という言葉を聞いただけで自分には無理だと尻込みしてしまう人も少なくありません。それなら、クロス集計分析を覚えておきましょう。さまざまなデータ分析に応用が効くうえに、数あるデータ分析手法のなかでも特に初心者が理解しやすい手法です。クロス集計分析の手順を覚えると、さまざまな仕事にデータを活かせます。ここでは基本的なクロス集計表の作り方を紹介します。

クロス集計分析はビジネスシーンで活用されているの?

最初に、クロス集計分析が本当に仕事で使われる機会が多いのかアンケートを取って調べてみました。

【質問】
普段の業務でクロス集計分析を使用する機会はありますか?

【回答結果】
ない : 73
ある : 27

【アンケート概要】
調査地域:全国
調査対象:【年齢】20 – 29 30 – 39 40 – 49 50 – 59 60 【職業】パート・アルバイト 個人事業主 公務員 正社員 派遣社員 経営者
調査期間:2017年08月29日~2017年09月05日
有効回答数:100サンプル

クロス集計分析を使う機会は少ないの?

今回のアンケートでは、クロス集計分析を使う機会はないと回答した人が全体の7割以上を占めました。

  • クロス集計分析と言った専門的な分析には携わったことがないです。(30代/パート・アルバイト/女性)
  • そういうジャンルの仕事ではないからです。また、立場でもありません。(40代/個人事業主・フリーランス/男性)
  • クロス集計分析という言葉を始めてききました。(30代/正社員/男性)

クロス集計分析を使用する機会がないと回答した人のコメントを見ると、職種や立場が大きく影響をしているようです。自分はデータ分析をする職種や立場ではないと考えている人が多く、最初からデータ分析の必要性を感じていない様子がうかがえます。一方、クロス集計分析をする機会があると回答した人のコメントは次の通りです。

  • あるというか基本の「キ」の部分ですよね。単純集計だけをしてもデータは1割も活かせないですよ。(30代/正社員/男性)
  • 私の勤めている会社では定期的にお客様からアンケートをとっていて、その結果を必要な時に抽出して関連性等を調べたりするので。(40代/個人事業主・フリーランス/女性)
  • 営業部門にいますが、顧客と需要、価格などをキーにクロス分析を行なっています。(40代/正社員/男性)

クロス集計分析をする機会があると回答した人のコメントを見ると、多くがデータ分析を専門に行う部署で働いている人ではないことがわかります。さまざまな項目の関係性を調べるのに重宝しているという声が多数聞かれました。このように、実際に分析方法がわかっている人であれば、個人レベルでも使う機会はあるのがクロス集計分析です。

アンケートの結果クロス集計分析を知っている人が少なかったことから、その方法を知り、使えるようになっておくことが、他人との差別化に繋がると考えられます。では、クロス集計分析とはどのようなものなのか詳しく見ていきましょう。

そもそもクロス集計分析とは?

クロス集計とはある2つもしくは3つの情報をキーとして集計を行い、その結果を分析するデータ分析の手法です。縦軸と横軸を取ったうえでそれぞれに項目を割り振ると、項目同士の相互関係が見えてきます。

アンケートの集計に良く使われる方法で、データをただ項目ごとに集計する単純集計に次いで広く用いられています。複数のカテゴリー、数値とカテゴリー、複数の数値という掛け合わせ方が可能で、複数の項目を掛け合わせて集計する多重クロス集計もよく用いられます。

たとえば、縦軸に性別×年代を取り、横軸に質問項目を取って集計表を作れば3項目を掛け合わせて集計できるため三重クロス集計、縦軸に性別×年代×質問項目、横軸に質問項目を取ると、四重クロス集計ということになります。クロス集計分析は、分析結果が目で見てすぐにわかるため、初心者でも取り入れやすい点がメリットです。

クロス集計分析でできること

クロス集計分析を用いると、サンプルの属性と質問項目との関係性を分析することができます。単純集計では、アンケートの質問に対してどの質問にどれくらいの人が回答をしているかしか見えてきませんが、クロス集計分析を用いると、属性と選んだ回答との関係性を知ることができます。

たとえば「何時に起きますか?」という質問を単純集計すると、何時に起きる人が最も多いかはわかりますがそれ以外は分かりません。それに対して、クロス集計分析でほかの質問項目と掛け合わせると、性別や年齢と起きる時間の関係や、起きる時間と朝食を食べるかどうかの関係なども分析することができます。

クロス集計分析は、属性ごとの傾向を知ることができるだけでなく、特定の質問項目がほかの質問項目とどのような関係性があるかを分析するのにも用いることができるため、応用範囲が広い分析法といえます。

クロス集計分析のメリットとデメリット

クロス集計分析は利用しやすい分析手法ですが、メリットだけしかないわけではありません。

当然デメリットもあります。クロス集計の最大のメリットは誰でも簡単に集計表が作れるという点です。多重クロス集計であっても、縦軸と横軸の置き方さえコツをつかめばすぐに集計作業を行えます。

また、どの項目が多いか少ないかが視覚的にすぐわかるため、初心者でも分析結果を理解しやすいという点もメリットと言ってよいでしょう。分析手法の基本で、ほかの分析手法に応用できます。繰り返し分析が必要なデータ分析では使い勝手のよい分析手法と言ってよいでしょう。

一方デメリットは、クロス集計では分析しにくいケースがあるという点です。集計結果が膨大な量になることもあり、その場合、外部に集計を依頼するとコストが余分にかかってしまうおそれがある点はビジネスで利用するときにはネックになります。

実は簡単!クロス集計表の作り方

クロス集計表には、Excelで作る方法とGoogleスプレッドシートで作る方法があります。

  • Excelで作る場合
    Excel上のリストを使ってクロス集計表を作るときは、ピボットテーブルを使って作成すると簡単です。リストを開いた状態で、挿入からピボットテーブルをクリックすると、ピボットテーブルの作成画面が開きます。範囲を確認したらOKをクリックし、次にフィールドに追加する項目を選びます。移動先を決めたら項目をドラッグしていきます。
  • Googleスプレッドシートで作る場合
    Googleスプレッドシートを利用するときも、ピボットテーブルを使ってクロス集計表を作ります。クロス集計に使いたいデータの範囲を選択しておいてから、データ→ピボットテーブルと進んでクリックします。そうすると、別シートとしてピボットテーブルが出てくるので、レポートエディタの部分で条件の指定を行います。

クロス集計分析はビジネス戦力の基礎!

クロス集計分析はデータ分析では基本中の基本と言われる分析手法です。しかし、できることは数多く、さまざまな場面で使うことができます。ビジネス戦力の基礎ともいえる分析手法ですから使えるようになっておきましょう。クロス集計分析を使いこなせるようになれば、さらにほかの分析方法にもチャレンジしたくなるかもしれません。クロス集計分析のデータは、ほかの分析方法にも応用が利くため、最初の一歩としてクロス集計分析のマスターから始めてみましょう。

また、オンラインストレージを利用することで、集計・分析データを効率よく取り扱う事ができます。ExcelのようなOffice製品であれば、Fleekdriveから直接編集が可能なため、ローカルにダウンロードして修正し、その後にアップロードするといった手間を削減できます。その他にも各部門や外部へスピーディな情報共有が実現できる事から、データの鮮度を保ったまま経営戦略や施策へ活かすことが可能です。

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集計・分析データは、企業にとって非常に強力な武器になります。あらゆる戦略や戦術をとるため、最初の一歩としてクロス集計分析のマスターから始めてみましょう。