DX時代にはコンテンツ管理が求められます。本記事では、DXがたどってきた経緯を振り返りつつ、データの構造や保存方法をまとめ、クラウドストレージをコンテンツ管理にどのように活用すべきかを考察します。

DXの推移、生成AIなど先端技術の影響とこれから

DX(デジタルトランスフォーメーション)は、2004年に当時スウェーデンのウメオ大学に在籍していたエリック・ストルターマン教授が提唱したと言われています。デジタル技術がもたらす人間の生活のあらゆる面のよりよい変化がDXであり、技術や社会の変化によって、さまざまに解釈されてきました。まず日本のDXの推移と現在、これからの展望をまとめます。

日本におけるDXの推移

2018年の経済産業省による『DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~』を契機として、DXという言葉が浸透しました。当初はペーパーレス化や業務改革を中心に多くの企業がDXに着手しました。その後、2020年からのコロナ禍によりリモートワークが浸透、ビデオ会議を始めとして、働き方の改革が進展します。一方、海外の状況と比較すると日本におけるDXの遅れが指摘されてきました。

生成AIなど先端技術の影響

現在、生成AIのめざましい進化からDXは次のフェーズを迎えようとしています。2022年にOpenAI社がリリースしたChatGPTにより、人工知能の活用が一気に拡がりました。文章作成や翻訳に加えて、図解を自動生成するNapkin AIなど積極的に活用されつつあります。あらためてDX推進に有望な先端技術を挙げると、次のようなものがあります。

  • AI(人工知能)
  • クラウドコンピューティング
  • IoT(Internet of Things、モノのインターネット)
  • サイバーセキュリティ
  • ブロックチェーン
  • XR(Extended Reality、拡張現実)

こうした技術に共通する特徴は、大量のデータを連携して処理を自動化することです。AIをはじめとした先端技術は、今後ますます身近になり、音声や映像などリッチメディアが増加することでしょう。

DXの本質は「データ活用」

DX推進を競争優位性の確立の視点からとらえると、デジタル技術による新たなビジネスモデル構築が有望です。このときデータ活用が重要になります。膨大なデータから重要な情報をピックアップし、分析や予測を行い、意思決定を迅速化します。経営者の経験や勘だけに頼らないデータドリブンの経営を実現することから、DXの成功はデータ活用にかかっているといっても過言ではありません。

DXに求められるコンテンツ管理

企業で扱う情報には、データのほかにコンテンツがあります。Webサイトの管理を担当している場合には、馴染みの深い言葉かもしれません。コンテンツ管理の基礎を解説します。

コンテンツとは何か、データとの違い

コンテンツ(contents)は「中身」の意味であり、「情報の内容」を示します。データの場合は数値やテキストが中身になりますが、コンテンツの場合は製品紹介やノウハウなどになり、図版、写真、映像などマルチメディアを含みます。ブログのほか、パンフレットや資料もコンテンツです。印刷物をアナログコンテンツと呼ぶこともあります。

構造化データと非構造化データ

デジタルで管理するデータは、構造化データと非構造化データの2つに大きく分類されます。中間的な半構造化データもありますが、構造化と非構造化の違いをまとめます。

構造化データ定められたルールやフォーマットで保存、記録されたデータ。
データベースに格納しやすい。日付、数値、文字列など。検索や集計が容易にできることが特徴。主な形式はCSV、XML、JSON。
非構造化データ特定の形式や構造を持たないデータ。
SNSの投稿、メールの内容、PDFやWordのテキストデータ、マルチメディアのデータ(画像、音声、動画)、IoTデバイスのセンサーのデータ、ログデータ(サーバーログ、システムログ)などがある。

データレイクとコンテンツレイク

大量のデータを効率的に管理する方法には、データレイクとコンテンツレイクがあります。それぞれの違いと概要をまとめます。

データレイク構造化データ、半構造化データ、非構造化データのあらゆるデータを格納できる保存場所。データベース格納のルールを定めるスキーマが不要。AIの機械学習に必要な大量のデータの処理、分析が可能。
コンテンツレイク非構造化データの格納に特化したデータレイクのひとつ。文書、音声、画像、動画などの一元管理ができる。非構造化データの検索や抽出が可能であり、企業内などにおける情報共有を実現する。

コンテンツ管理に役立つクラウドストレージ

クラウドストレージは、動画など非構造化データによるコンテンツの共有と活用にも役立ちます。コンテンツ管理の側面から、クラウドストレージ活用シーンを3つ挙げます。

大容量のコンテンツを社内外で共有

社員教育のセミナー動画を共有したり、会議やユーザーインタビューのファイルを共有したり、さまざまな活用が可能になります。プロモーション用の大容量のコンテンツ制作の際にも、安全データを共有できます。映像制作を手掛ける株式会社ネイキッド様では、Fleekdriveを使って映像作品や音楽のデータを共有しています。

株式会社ネイキッドの事例
https://www.fleekdrive.com/case/naked/

柔軟な拡張性によってコストを最適化

コンテンツ管理では、データを最新の状態に更新するとともに、古いファイルの整理が必要です。クラウドストレージは、バージョン管理、アーカイブやバックアップの自動化の機能により、社内のコンテンツ管理の負荷を軽減します。大学生協事業連合 関西北陸地区様では、POPなどの宣伝部の制作データの受け渡しにFleekdriveを活用しています。

大学生協事業連合 関西北陸地区の事例
https://www.fleekdrive.com/case/u-coop/

セキュリティとコンプライアンスを強化

営業資料には、特定の取引先やパートナーに公開するコンテンツもあります。こうした特定の相手に向けたコンテンツ管理では、セキュリティが重要です。ウイルスチェックや暗号化はもちろん、アクセス権限を設定できることが大切です。ISMSなどの認証済みサービスを使えば安心して、コンテンツの共有ができます。

クラウドネイティブなコンテンツ管理が重要

コンテンツ管理は、今後ますますクラウドネイティブになるでしょう。現在の技術的な特徴として、柔軟性や拡張性が高く負荷を分散させるマイクロサービスやサービスメッシュ、環境を安定させるイミュータブルインフラストラクチャなどがあります。アップデートや修正が簡単になり、コスト削減やセキュリティ強化を実現します。

まとめ

生成AIなどの技術が急速な進化を遂げる現在、DXを推進するためにクラウドサービスの活用は欠かせません。リッチコンテンツの情報共有と活用が重要になります。Fleekdriveは大容量のデータを安心安全に利用できるクラウドストレージのサービスです。事例などを参考に、ぜひ導入を検討してみてください。