大容量の宣伝物データ、受け渡し方法に変革を

大学生協事業連合 関西北陸地区は、阪神・京都・北陸の3つの事業連合が合併して結成された生活協同組合連合会だ。主に各大学生協の店舗で展開する商品やメニューの商品企画や、各大学生協の業者支払、職員の給与などの支払代行業務などを行っている。
管理部の泉谷俊彦氏が以前所属していた会員支援部POP宣伝室では、ポスターやPOPなどの宣伝物をデザインし、各大学生協に提供していた。宣伝物の制作において、容量の大きなファイルやデザインデータのやりとりは、他社のレンタルサーバを利用していたが、送信できる容量に上限があり、ポスターなどの400MBを超えるデータが複数ある場合は、DVDに書き込んで郵送するため約2日かかっていた。宣伝物は、制作締め切りの直前まで企画の打ち合わせをすることも多く、郵送時間がデザイン作業の時間をひっ迫させていた。
また完成品については、ポスターは現物を郵送、POPはPDFを提供して各大学生協でプリントアウトしてもらっていた。3つの事業連合が合併する以前は、京都・滋賀・奈良は情報共有用の電子掲示板に上げ、大阪・神戸では現物をやりとりしていた。合併後、それらの業務が全てPOP宣伝室に集約されたため、各大学生協とのやりとりの方法を統一することが急務となった。

合併で膨らむ組合員数、個人情報取り扱いの安全性確保をクラウドで

また、羽賀省二氏が所属する総務部は、職員の給与計算や支払い代行業務を行っていたため、各大学生協との間で職員や業者に関する個人情報を郵送でやりとりしていた。また、会員となる学生の申込書を一括登録している事務センターでは、各大学生協との間で申込書そのものを社内便で郵送していた。
3つの事業連合が合併するにあたり、組合員数が3万人から6万人に拡大することから、従来の紙媒体での郵送では紛失などの事故が発生する危険が懸念されるようになった。そこで、クラウドサービスを活用した個人情報データのやりとりを検討することになった。

ファイルサイズを気にせず、セキュアに双方向のやりとりが可能

POP宣伝室が抱える大容量デザインデータの問題、総務部が抱える個人情報取り扱いの安全性の問題、これらを同時にクリアできるものとして、たどり着いたのがFleekdriveだった。「以前からAWSでのクラウド環境を検討していたこともあり、FleekdriveがAWSによるインフラ基盤を持ち、取り扱うファイルサイズの上限がなく、その上、細かい共有設定ができる点に注目しました」(泉谷氏)。

運用コストの削減と国内企業の安心感

検討にあたっては、オープンソースのシステムも候補に挙がっていたが、海外製品が主流であるためサポートが英語での対応になり、サポート費用も高額だった。それに比べて、Fleekdriveは初期費用や運用費が抑えられ、国内企業ならではのサポートも期待できた。

大容量データの共有で、郵送による作業日数のロスを解消

Fleekdriveなら大容量のデータも取り扱え、確実かつスピーディーに相手に届けることができる。これまで郵送でかかっていた時間がゼロとなり、計画的にデザイン作業を進められるようになった。
さらに、Fleekdriveの「自動通知機能」によりフォルダにファイルをアップロードしたり、フォルダ内のファイルを更新したりした際、対象者に自動的にメールで通知されるので、メールでやりとりする手間がなくなり効率化が図れた。印刷会社とのやりとりにおいても、デザインの修正指示を専用のフォルダにアップロードするだけでメールが届くため、印刷会社は即座に修正作業に着手できるようになった。

各大学生協との個人情報のセキュアな受け渡しが可能に

登録業務を委託されている事務センターでは、学生の申込書などの個人情報を登録した後、各大学生協に返却する際にFleekdriveを利用している。また履歴書のように機密性の高い情報は持ち出しを禁止し、外出先で閲覧が必要な役員など特定の職員だけに閲覧権限を付与。さらにダウンロードできない設定にするなど、セキュアな管理が可能になった。

増え続ける文書を適切に管理

もともと各大学生協の給与計算や支払い代行業務に関する資料、また学生の個人情報が書かれた申込書といった文書を管理したいという観点からクラウドサービスの導入を考えていた一面があった。ただし、使えるストレージには上限があり、宣伝物のデータは非常に大容量であるため、うまく運用しなければファイルサーバにデータがどんどん増え続け、放置していればあっという間に容量がいっぱいになってしまう。
Fleekdriveのライフサイクル設定は、保管期限を指定し、期限が来るとアーカイブやゴミ箱へ移動や削除が可能であるため、いつでもデータが整理された状態で、検索も早まり、作業効率が上がった。そのため、過去の文書を探す時にも非常に役立っている。

ペーパレス化で倉庫スペースがゼロへ

さまざまな文書情報をデータ化し、ペーパレス化を推進。また会議資料も事前にPDF化したデータをFleekdrive上のフォルダにアップロードし、会議中もプレビューするなど日常業務においても定着するようになった。その結果、さまざまな書類保管に使用していた大きな部屋を開放できるようになった。

目指すは事業統合後の全国展開

大学生協事業連合 関西北陸地区は、2018年11月1日に東京事業連合、北海道事業連合、東海事業連合、東北事業連合、九州事業連合と合併し、発足した。そこで、統合後も、関西地区におけるFleekdrive活用の利便性を積極的に全国に広めていく予定だ。「大学生協で保険の関係を取り扱っていたので、別組織で保険に関する案件についてのウェブ対応を推進しています。そのなかでもFleekdriveでの情報のやりとりを進めていきたいですね」と羽賀氏は意欲を見せた。