営業職に向いている人というと、どのような人物像が浮かぶものでしょうか。明るくて社交的な人物じゃないとできないものと考えている人は多いかもしれませんが、実はそうとは限りません。内気な人でも営業のコツさえ掴んでいれば問題なく業績をあげられますし、見方次第では内気な人のほうが営業職に向いているといえるほどです。社交的な人じゃないとできないというのは都市伝説のようなものですから、営業職に興味ややりがいがあると思うのなら積極的に取り組むべきでしょう。今回はそんな内気な人の営業の強みやコツについてまとめました。

営業マンはみんな勝ち気?内気の人はいないもの?

営業マンというと勝ち気なイメージが強いかもしれませんが、内気の人は全くいないものなのでしょうか。営業部署で働いている人の性格として、勝ち気と内気だったらどちらのほうが多いと思うのかについてアンケート調査を行いました。

質問

営業部署で働いている人の性格で、勝ち気と内気ならどちらが多いと思いますか?

回答結果

勝ち気 : 95
内気 : 20

アンケート概要

調査地域:全国
調査対象:【職業】パート・アルバイト 個人事業主 公務員 正社員 派遣社員 経営者
調査期間:2017年08月03日~2017年08月10日
有効回答数:115サンプル

勝ち気が多いイメージが強い!内気はごく少数?

アンケートを取ったところ、勝ち気が95票に対して、内気は20票という結果となりました。
勝ち気な人が多いとイメージする人のほうが圧倒的に多いようです。

  • 営業職では、社交的な性格が必要で、且つ競争心・闘争心が不可欠です。(60代/男性/経営者)
  • 勝ち気じゃないと務まらないし、ある程度心強くないと無理。(30代/男性/正社員)
  • 色々とへこむことが多いので内気だとやり切れない。(40代/男性/パート・アルバイト)

勝ち気だと答えた人の多くは社交的な性格が必要不可欠であるためと考えている傾向が強いことが伺えます。
また、勝ち気だと精神的にも強いというイメージがあるのか、内気だと精神的に耐えられないことを理由に挙げている人も目立っていました。

  • 基本的には私も含めて内気な人の方が多いように思います。あまり勝ち気だと相手にされないような気もしますし。(50代/男性/正社員)
  • 勝気でいると、相手と口論になってしまう可能性があるから。(20代/女性/正社員)
  • 意外とおとなしい人が営業には多いと思います。勝ち気な性格ではお客様とぶつかり、良い営業成績が残せないのでは。(40代/男性/正社員)

内気派の意見として多かったのは、勝ち気だとお客様と口論になるというものでした。お客様の気分を害することがないようにするには繊細な対応ができそうな内気な人のほうが向いているといえるかもしれません。

アンケートの結果、勝ち気が多いと答えた人が圧倒的多数ではあったものの、どちらも一長一短な部分があるのも確かです。内気の場合は他にどんな点が営業マンとして優れているものなのかを詳しく見ていきましょう。

内気な営業マンに隠されたトップセールスマンの2つの要素

内気な人ほど営業マンに向いているといえる理由としては、2つの要素があります。1つは聞き上手である点、もう1つは慎重な行動ができる点です。
聞き上手だとお客様の意見や感想にしっかりと耳を傾けられますし、お客様の意図を汲み取る能力にも長けています。

また、親身になって接することができるため、売り込みだけに集中しすぎることがないのも魅力的な部分です。それでは真面目に営業ができないのではないかと思うかもしれませんが、決してそんなことはありません。むしろ、売り込みだけに集中しすぎないことでお客様の信頼を得やすくなるものです。心を開いてもらえれば、ニーズを聞き出しやすいという利点もあるでしょう。

慎重な行動としては、営業効率をあげられるという特性があります。内気で慎重派だからこそ、行き当たりばったりで行動することなく、きちんとリサーチを重ねるものです。営業先を絞り込んだり、相手を研究したりしてから行動に起こすため、商談がスムーズに進みやすいというメリットがあります。営業をかけに行く数が多ければ多いほどいいというものではなく、大切なのはあくまでも商談の成約数です。効率的な行動を意識していけば、業績アップを狙えるだけではなく、トップセールスマンも目指していけるでしょう。

内気な営業マンに捧げる!営業のコツ3点!

内気な人が営業マンに向いていることは先述しましたが、ただ内気であればいいというものではありません。性格が内気だからこそ営業において不利になる場面もあります。そういったポイントをカバーできるような営業のコツを掴んでいきましょう。
習得すべき営業のコツの1つとして挙げられるのは、リアクション面の意識です。内気な人は声や身振り手振りが小さく、反応が薄い人が多いですから、そういった姿勢は営業において不利になります。自分にとっては大袈裟と思えるくらいにリアクションを大きくしましょう。相槌1つでも大きくはっきりと頷くことによって、相手に伝わりやすくなります。

2つ目は、事前準備の徹底です。内気な性格だと伝えるべきことをはっきりと伝えられない場合があります。いきなりお客様の前に立つと緊張から言葉を何も発せなくなってしまう可能性がありますから、そうならないように準備しておきましょう。伝える内容や聞くべき内容をメモしておくことを始め、営業に必要なアイテムも用意しておくのが望ましいです。商品やサービスのパンフレット、紹介に使えるようなデジタルツールを用意しておくとスムーズに営業がしやすいでしょう。

そして3つ目は、無理にセールストークを展開しないことです。内気な性格の場合、セールストークで懸命にアピールするよりも、お客様に寄り添って悩みを引き出すほうが向いています。そのため、説明よりも質問の割合を多めにとり、お客様のニーズを汲み取るようにしましょう。そのうえで解決策の提案として商品やサービスを勧めるのがやりやすい営業の仕方です。

営業の成果を上げるためにおさえたい3つの注意点

営業の成果をあげたいのなら、3つの注意点に気をつけながら取り組みましょう。まず、話を聞くのが上手な内気な性格だからこそ、言いなりになってしまわないことが重要です。お客様のニーズを知るために話に耳を傾けることは確かにとても大切なことではあります。しかし、言いなりになってしまうということは、お客様に主導権を握られてしまうということです。そうなると上手く営業をかけられなくなってしまうので注意しなければなりません。主導権を握られることのないよう、営業対象はしっかりと絞り込んでいきましょう。

次に、値下げの要求にはすぐに応えないことです。お客様が安ければ契約すると言うのなら、どうしても値下げしたくなってしまいがちなものですが、下げた分だけ売上も下がってしまいます。また、すぐに下げてしまうとさらなる値下げ交渉を試みるお客様も出てきてしまうので注意が必要です。お客様から値下げの要求があった場合は、価格を下げるのではなく、価格以上の商品価値を伝えることが重要になります。

また、内気だと自覚している場合は、無理に上手に説明しようとしないことも大切です。内気な人に限ったことではないですが、セールストークは場数を踏んでいくほど上手になっていくものです。いきなりトップセールスマンが扱うような巧妙なセールストークは難しいですし、今できる範囲で営業に取り組んでみてください。

まとめ

内気な人にはその人なりの強みというものがあります。勝ち気にはない繊細さがありますし、慎重かつ効率的に行動を起こせるため、そういった一面は営業マンとして使えるスキルだといえるでしょう。

コツを掴んできちんと自分の強みを活かせれば、業績がアップするどころか、トップセールスマンになるのも決して夢ではありません。自分の性格を踏まえつつ、得意なところは伸ばし、弱みとなる部分は改善していくことで営業マンとしての能力に磨きをかけられるでしょう。

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