特性要因図は、魚の骨のような形の図に、ある特定の結果とそれに影響している要因の因果関係を書き表したものです。頭の中で考えていることを視覚化して整理し、問題点やその解決策を探すのに使います。特性要因図を書くと物事の関連性や因果関係が直感的にわかるため、抽象的な結論に陥りがちな問題も具体的に考えられるようになります。そのため特性要因図の作り方を覚えておくと、仕事で課題が出てきたとき、対策を立てるのに役立ちます。

特性要因図の作り方

特性要因図(フィッシュボーン図)は、「特性」(結果)とそれに影響している「要因」(原因)の間にある因果関係を書き表した図のことをいいます。もともとは品質管理の現場で使われていたツールでしたが、さまざまな問題解決のツールとして応用可能です。ここではまず、特性要因図の作り方を紹介します。

  • 特性を書く
    まず魚の頭にあたる部分に、「特性」を書きます。「特性」は諸々の原因によって生じる(であろう)問題点を指す言葉です。すなわち、ここには解決すべき課題や現在抱えているトラブルを記入することになります。
  • 背骨を書く
    魚の頭(特性)に向かって、魚の尾の方から長い矢印を引きます。これが「背骨」といわれるものです。背骨を書くことで、「要因」と「特性」の間の因果関係を視覚的に理解することができるようになります。
  • 大骨を書く
    特性が起きる大きな「要因」を、「背骨」の上と下に均等に並べて書きます。ここで書き出した「要因」から「背骨」に向かって矢印を引き、「大骨」とします。
  • 中骨を書く
    今度は大骨の「要因」を考え、「大骨」を書いたときと同じ要領でその要因から「中骨」を書きます。
  • 小骨を書く
    中骨の「要因」を考え、同じように「小骨」を書きます。

特性要因図、考え方のポイント

特性要因図は、ただ漫然と「要因」と「特性」を書けば完成するというものではありません。考え方のポイントを押さえておかないと、正しい答えにたどり着けなくなってしまいます。ここでは特性要因図を書くとき、押さえておきたいコツをいくつか紹介します。

  • 抽象的な「要因」から具体的な「要因」へ
    大骨では抽象的な「要因」を書き入れ、中骨、小骨と段階を踏んで、徐々に具体化していきます。最終的に、具体的な解決策が出てくる段階を目指して記入を続けましょう。たとえば小骨の「要因」があるような場合には、孫骨以下を作ってしまってもOKです。
  • 要因」に漏れやダブりがないかどうかチェックする
    「要因」を考えるときは、まずは考えられそうな「要因」をすべて書き出していきます。そのあとで抽象度などに応じて特性要因図のどこに書き入れるべきかを判断します。このとき、漏れやダブりなどがないかチェックするのを忘れないようにしましょう。
  • 主観を入れない
    「要因」は、あくまでも客観的な事実に基づくものです。「要因」を考えるときに、自分の主観を入れてしまうと、正確な分析ができなくなってしまいます。信頼できるデータを使うなど、常に客観的な視点を忘れないようにしましょう。

これは便利!簡単に特性要因図が作成できるツール

初心者にとって、特性要因図を最初から作成するのは難しい作業です。ここで役立つのがインターネット上にあるツールです。たとえば、初心者でも気軽に使えるツールとしては、エクセルを使ったテンプレートがあります。特性要因図のテンプレートでは、特性、背骨、大骨のあたりまではすでに記入欄が作成されているので、「最初に何を書くんだっけ」と迷う必要がありません。ここに自分で小骨や孫骨などをどんどん書き加えていくことで、本格的な特性要因図を作成することができます。多くのテンプレートが無料で公開されているので、自分にとって使いやすそうなものを探してみてはいかがでしょうか。また、テンプレートを利用するのではなく、専用のソフトを使って書くという方法もあります。たとえばEdraw Maxは、特性要因図に限らず、フローチャートや組織図、マインドマップなどビジネスに必要な各種チャートを作成できる作図ソフトです。必要なパーツを選んでいくだけで、簡単に特性要因図を作り上げることができます。基本的に有料版となっていますが、無料の体験版も用意されています。特性要因図以外のツールにも興味がある人におすすめです。

仕事がうまくいかないときの対処法

仕事がなかなかうまくいかない…そんなときに、あなたはどのように対処していますか?そこで、ここでは全国の男女150名にアンケートを実施し、自分なりの解決法を教えてもらいました。

原因を分析する、第三者にアドバイスを求めるなどの声が多かった

  • 原因を分析します。(40代/男性)
  • 問題点を追求して悪いところを直す。(30代/女性)
  • 原因を追究します。何が問題なのか、少し冷静に考える時間をもうけます。仕事ができる先輩や上司の姿を見て参考にすることもあります。(40代/女性)
  • 上司や先輩からアドバイスをもらいます。餅は餅屋。相談できる間柄は大事です。(30代/男性)
  • 気持ちを切り替えて、何が問題で結果が出せなかったのかをノートに書きだしてみる。文字にすることで、自分を客観的に見られるので。(40代/女性)

【質問】
仕事で結果が出せない時、どのように解決しようとしますか?

【回答結果】
フリー回答

調査地域:全国
調査対象:年齢不問・男女
調査期間:2017年02月24日~2017年03月01日
有効回答数:150サンプル

何が悪かったのか原因を追究する、信頼できる上司や同僚にアドバイスや助けを求める、といった声が特に多く聞かれました。仕事がうまくいかないときの対処法は人それぞれですが、それでも原因の究明が大切という意見に異論を唱える人は少ないのではないでしょうか。特性要因図は、原因を正しく分析するための強力なツールになりえます。

特性要因図で問題を視覚化しよう!

特性要因図を書くと、問題を視覚化して考えることができます。頭の中で考えをまとめようとしたときよりも、物事の因果関係をすっきりと整理することができるはずです。隠れていた問題点を洗い出し、具体的な解決策を考えることができるようになります。上手に使いこなせるようになれば、ビジネスに限らずあらゆる問題の解決に役立つはずです。無料ツールの助けも借りながら、まずは試しに書いてみるところからはじめてみましょう。