1969年(昭和44年)創業から50年、漢方のリーディングカンパニーであり続ける薬日本堂株式会社(以下、薬日本堂)。日々の生活に漢方の考え方を取り入れた「漢方ライフスタイル」を提案し、お客様の美と健康をサポートしている。
2002年に“NEW STYLE KAMPO”を新たな方針とし、漢方専門店『ニホンドウ漢方ブティック』を東京都港区青山に出店。2010年には、漢方ビューティーブランド『カガエ カンポウ ブティック』を千代田区丸の内に出店するなど、百貨店を中心に主要都市への出店を推進し、現在、全国に20店鋪を展開。「健康で美しく輝けるように」の企業理念のもと、オンリーワン企業として商品開発事業をはじめ、商品流通事業、スクール事業、監修事業など、付加価値の高い事業を幅広く展開している。

増え続ける紙ベースのお客様情報

薬日本堂の漢方相談では、お客様の不調の原因や生活習慣などを詳しく伺うため、カウンセリングに十分な時間を取っている。カウンセリングの内容を「健康カード」(病院のカルテのようなもの)に記録し、これに基づき、お客様に合った薬や健康食品の提案を行う。いわば、薬日本堂にとって命のようなものだ。
ところがこの「健康カード」は、相談員が専用用紙に手書きしていたため、社内での情報共有が難しかった。また、紙のために膨大な量となり、保管場所の確保が必要で、お客様から問い合わせがあっても、探すのに時間と手間がかかる状況だった。

企業の成長に合わせ、情報のデジタル化を検討

薬日本堂は2002年の新社長就任以降、会社の方針を『健康で美しく』に転換。より女性を意識した業態に舵を切った。併せて百貨店への進出も行い、お客様の数も店舗数も飛躍的に伸びた。こうした新たな事業展開を進めていく上でも、デジタル化による情報の共有化は急務となり、ファイル共有・管理の仕組みを検討し始めた。

Salesforceとの親和性と強固なセキュリティ

選定にあたっては、2017年から営業支援・顧客管理システムにSalesforceを導入していたため、Salesforceと連携することはもちろん、お客様の健康状態という個人情報を扱う上で、確かなセキュリティ機能を持つことが必須条件だった。
「私たちの仕事は、センシティブな内容の個人情報を扱うことから、セキュアな環境を実現してくれるFleekdrive以外、選択肢はなかったですね」と、管理部(情報システム担当)マネージャーの吉澤氏は語る。

iPadで入力、Fleekdriveに保管。お客様情報をセキュアに共有

薬日本堂ではFleekdrive導入と同時に、カウンセリング内容をiPadで入力するオペレーションに変更した。その結果、各店舗でのカウンセリングが格段にスムーズになったという。相談員がお客様の目の前でiPadに必要事項を入力し、Fleekdriveに保管することで、場所と時間を問わず、全社でお客様情報をセキュアに共有できる体制を整えることができた。
「お店には、直近1カ月のお客様キャビネットがあり、『健康カード』を名前順に並べていました。1カ月ごとに記入済みのカードを後ろに移動する作業がありましたが、それも不要となり、仕事の効率がアップしました」(吉澤氏)

過去の事例の活用で、相談員のスキルアップを実現

お客様情報の共有により、過去のカウンセリング実績を全社員で参考にでき、薬の提案がスピーディにできるようになった。時にはFleekdrive上の「健康カード」の情報を介して、複数の相談員がより最適なケアについて意見を交換することもできるようになり、スキルアップにつながっている。
「相談員から、お客様に適したお薬に関する質問があった場合、今までは先輩が現場でアドバイスするしか方法がありませんでした。
現在はFleekdrive上で過去の事例を参考にご提案できるようになりました」(吉澤氏)

いつでもどこでもすばやく検索。お客様に最適な提案を

「百貨店への出店が増えたおかげで、複数の店舗を利用するお客様も増えました。初回と違う店を訪問された時でも、Fleekdrive上に『健康カード』が保存されているため、どの店舗でも情報を見ることができます。また、今まではお客様からの問い合わせの際、検索すると、すぐにデータが見られますので、お客様をお待たせする時間の短縮が実現しました」(吉澤氏)
Fleekdriveの導入は、社内の作業効率化だけでなく、お客様へのサービス向上に大きく貢献している。

集積した情報を一元管理し、商品開発や事業の拡大にも活用

業界のオンリーワン企業として、いち早くデジタルトランスフォーメーションを進め、セキュアでスピーディな情報共有に貢献するFleekdriveを導入した薬日本堂。最近はECサイトでの購入の割合が増えるなど、その成長はスピードを増している。さらにスクール事業も一層拡大させようとしている。
「現在、来店されたお客様の情報はSalesforceに、ECサイトで商品を購入されたお客様の情報は別のデータベースにあるため、将来的には顧客情報を一つに統合し、来店履歴や購入履歴を一元化管理したいと考えています。そうすれば、今まで以上にお客様に適切な商品やサービスのご案内ができるようになるはずです。また、お客様には漢方相談ではなくても、例えばスクールで漢方について学んでいただくなど、いろんな形でサービスを経験していただきたいです。データを活用しビジネスを加速させていきたいですね」(吉澤氏)
今後は、日本国内だけでなく、世界の人々の美と健康のために、Fleekdriveのさらなる活用を進めていく予定だ。