外資系企業で働く人たちにとって、転職はキャリアップをはかる人生の重要な転機。新たなキャリアを考えるとき、欠かせないのが仲介役となる転職エージェントです。外資系企業を中心に人材を紹介する転職エージェントの株式会社アイ・エス・エス・コンサルティング(以下、ISSコンサルティング)は、企業財産となる求人者や求職企業の機密情報を、FleekdriveとSalesforceの連携によって安全かつ効率的に管理しています。コンサルタントの林佑悟氏とリサーチャーの阿武未紀氏にその活用法を伺いました。

目的

  • 機密データを安全に管理し、求人する企業・求職者双方にスピーディーな情報提供を

施策

  • Salesforceに記録した求職者と企業のデータをFleekdrive上のファイルと紐づけして管理
  • 外部とのファイル授受にFleekdriveのファイル共有機能を使用
  • 社内用のファイルサーバとしてもFleekdriveを使用

効果

  • スムーズな人材紹介の実現で顧客満足度を向上
  • 安全なファイル授受により顧客の信頼度アップ
  • 機密データの安全な管理が実現

蓄積されていく10万件超の個人情報

ISSコンサルティングは、通訳養成学校の一事業部から独立し、設立から26年の実績がある転職エージェントです。求職者と企業の橋渡しの役割を担い、特にミッドクラスからエグゼクティブと呼ばれる年収700万~2000万円の転職案件を得意分野としています。同社の財産ともいえるのが求職者のデータ。過去17年間にわたり蓄積された個人情報はおよそ10万件超にものぼります。外資系企業で働く人は、数年で転職してキャリアアップしていくのがあたりまえ。そのため1人の求職者との付き合いが5年から10年の長期にわたることも珍しくありません。登録した人材がキャリアを積むたびに今後もデータは増えていくうえに、求人する企業の情報も管理する必要があります。順調に業績を伸ばすなかで、データ管理について課題がありました。

「以前はオフィスにサーバを置き、自社開発のシステムで管理していました。しかし、OSの更新の度にシステムも更新しなければならないなどメンテナンスが必要なうえ、セキュリティのリスクもあります。年々蓄積されていくデータを自社で直接管理することに限界を感じるようになりました。企業の情報はもちろんですが、求職者のデータは履歴書、職務経歴書、顔写真など特に機密性が高い個人情報です。転職エージェントとしての信頼を守るために、早急に対策を講じる必要がありました」(林氏)

自社サーバ、システムの直接管理に限界を感じるように

物理サーバからの脱却

さらに業務の課題を洗い出すなかで、別の問題も出てきました。自社システムのサーバOSのサポート終了がリリースされて2019年、長年の物理サーバでの管理から脱却し、顧客管理システムと社内サーバをクラウドサービスへ移行することが決定。複数の候補から検討が始まりました。

「求職者と企業のデータ管理はSalesforceで行うことが先に決まりました。そのため、導入するクラウドストレージはSalesforceと親和性の高いものであることが第一条件。また、セキュリティ機能の高さは大前提として、扱いやすさも重要なポイントとなりました。データ管理はコンサルタントやリサーチャーが兼任するため、本業を圧迫しないよう業務の負担はできるだけ軽くしたかったのです」(林氏)

「選定条件はほかにも、将来増えていくデータ量に耐えうるキャパシティーがあること、ユーザーごとに権限を決められること、などがありました。さらに懸念したのは、大容量のデータ移行がスムーズにいくかどうかです。サーバ内の求職者データは複雑に階層化していました。以前と同じ業務を行うためにも階層はそのままでの移行が必須です。また、サーバ移行で社員がシステムを利用できない期間は最小限に抑えたいという要望もありました」(林氏)

いざ! データ移行作業へ

外資系クラウドストレージを含む複数社の候補の中から検討した結果、最終的にFleekdriveが選ばれ、データの移行が始まりました。2020年11月に行われた移行作業は、Salesforceへのシステム移行も並行して行い、データ移行は4日間で完了。Fleekdrive社のサポートにより、以前のサーバ内と同じ階層を保持したままの移行が実現しました。懸念したトラブルもなく、予定通りの移行スケジュールで新しい環境へと移ることができたのです。

「何より助かったのは、データ移行作業に対する技術サポートが充実していることでした。外資系のストレージサービスでは、マニュアルだけ提供されて、移行作業は自分たちで行わなければならないところがほとんどです。Fleekdrive社は担当者が手厚くサポートしてくれたため、安全かつ短期間で移行が完了しました。充実したサポートは、私たちのように専任のシステム管理者がいない企業にとって、何より心強いですね」(林氏)

Salesforceとの連携で業務が安全でスムーズに

Salesforceと共に導入されたFleekdrive。求職者・企業のデータ管理のシステムは、以下のような仕組みが構築されました。

  1. スタッフがSalesforceから求職者・企業のデータを新規入力する。
  2. 各レコードにFleekdriveのフォルダ(保存領域)が自動的に生成される。
  3. Salesforceのレコードと同じ画面に、紐づいたFleekdriveのフォルダが表示される。求職者の場合、履歴書、職務経歴書、英文レジュメの3つのファイルをフォルダに保存する。
  4. 以降はSalesforceのレコードを呼び出せば自動的に紐づいたFleekdrive内のフォルダが表示され、フォルダ内のファイルにアクセスできる。

SalesforceのレコードとFleekdrive内のフォルダが紐づけされ、同じ画面で管理することができるため、必要な資料を別画面で探す必要がなくなりました。

「リサーチャーの仕事は、企業の求人に対し、最適な求職者を探しだすことです。SalesforceとFleekdriveの連携のおかげで、必要な資料をすぐに取り出せるようになり、スムーズに業務を行えるようになりました」(阿武氏)

SalesforceとFleekdriveの連携により必要な資料にすばやくアクセス可能

社内業務にもFleekdriveを活用

またFleekdriveは、データ保管のみならず、経費精算、ファイル保存など、社内サーバとしても活用しています。経費申請にはワークフロー機能を使用することで、業務をペーパーレスにして効率化。またユーザーごとに行う業務やファイル参照の権限を設定しています。外部とのファイル授受はFleekdriveのファイル配信機能を使用することで、セキュリティ強化も実現しました。

リモート業務にも対応

ISSコンサルティングでは、ハイブリット勤務を実施しています。そのため、在宅勤務時のアクセスは他社認証サービスを利用し会社に承認されたデバイスのみログインできるように設定。より安全に業務ができる環境を構築しました。

「これまでのリモート業務では、社内のサーバを経由するため通信速度に不満を感じることがありました。Fleekdriveの導入でアクセスがスムーズになり、快適な速度で業務ができるようになったのもうれしいですね」(林氏)

これからも活用の幅を広げていく

「私たちは転職エージェントとして、『人とのつながり』を特に大事にしています。転職の橋渡しをする立場として、求職者と企業どちらとも信頼関係を築く必要があります。Fleekdriveの導入でセキュリティが強化されたことで信頼性が高まり、顧客の満足度向上に貢献できたと思います。ファイル配信機能についてはまだ浸透しきっていないので、社内のコンプライアンスに対する意識を高め、活用頻度を上げていきたいです。頼りになるサポートに相談しながら、活用の幅を広げていきたいと考えています」(林氏)

(写真左から)コンサルタント 林佑悟氏、リサーチャー 阿武未紀氏