今やインターネットは、我々にとって欠かすことのできないインフラになっています。しかし残念ながら、インターネットの中には悪意を持つ人間や犯罪者がたくさん潜んでおり、つねに新たなターゲットを探しています。そのためユーザー側できちんと自衛策を取っておかないと、犯罪に巻き込まれるリスクが増大します。安全にインターネットを利用するためにも、各デバイスやサービスごとにセキュリティ対策を徹底しておくことが必要です。

怖い事例がたくさん!ネット犯罪を正しく怖がる

インターネットの発達とともに、インターネットを利用した犯罪は増加の一途をたどっています。セキュリティ対策をしないでインターネットを利用するのは、玄関のドアを開けっ放しにしたまま過ごすのと同じです。油断していると、すぐに好ましくない人やモノがPCやスマホの中などに侵入し、さまざまな悪事を働きます。

代表的なインターネット関連の犯罪としては、不正なプログラムを実行するマルウェアや、実在する企業を騙って金銭などを盗み取るフィッシング詐欺、他人にwebサービスのアカウントを勝手に利用されてしまう不正ログインなどがあげられます。これらの犯罪の主な目的は、私たちからクレジットカード情報などの個人情報や、ビジネスに関わる機密情報、あるいは金銭を盗み取ることです。さらに盗撮やデータの破壊などを目的とすることもあります。

こうしたインターネット犯罪に巻き込まれてしまうと、金銭的、精神的に大きな被害を受けることになります。さらに企業がターゲットになった場合には、社会的信用の低下やブランド価値の毀損などの二次被害が起き、経営危機にまで発展する可能性もあります。これらの被害を予防するためにも、セキュリティ対策は必須です。

サボると危険!スマホのセキュリティ対策

スマホの普及率が高くになるにつれ、スマホを狙ったインターネット犯罪が増えつつあります。それにも関わらず、意外にスマホのセキュリティ対策は見落とされがちです。フィッシング詐欺などパソコンでも起こりうる犯罪のほか、マルウェアなどが仕込まれた不正アプリや、マルウェアの一種でスマホをロックして身代金を要求するランサムウェアなど、スマホに特化した犯罪も多いです。

また毎日持ち歩くものだけに、紛失・盗難対策も忘れてはいけません。スマホは個人情報の塊です。それだけに第三者の手に渡ってしまうと、勝手に操作されて中のデータを盗み取られる危険性があります。Android、iOSといったOSの違いにかかわらず、すべてのスマホにはセキュリティ上のリスクがあります。比較的セキュリティ的に安心といわれているiPhoneでも、盗難・紛失の危険はありますし、さらにiOSを狙ったマルウェアも報告されています。「自分だけは大丈夫」と油断せずに、できる対策はすべて行うべきといえるでしょう。代表的なスマホのセキュリティ対策としては、信頼できる会社のセキュリティアプリを入れる、画面ロックをかける、OSやアプリのアップデートをこまめに行うなどがあります。

ユーザーの意識も大切!クラウドのセキュリティ対策

クラウドでは、不特定多数のユーザーでサービス事業者が提供する各種サービスを共有することになります。それだけに、サーバーがハッキングされたり、一部のアカウントで不正ログインがあったりすると、サービス業者はもちろん、ユーザー側にも深刻な被害が出る可能性があります。クラウドで起こりうる代表的なトラブルとしては、情報漏洩やデータの破壊、アカウント情報の流出、webページの改ざんなどがあげられます。もちろんサービス事業者側でも、システムを守るために各種のセキュリティ対策(ファイアウォール、IPS、WAFなど)は講じていますが、それだけでは不正ログインなどすべてのトラブルに対応するのは困難です。サービス事業者にセキュリティ対策を丸投げにせず、ユーザー側でも利用の際にはそれなりに注意を払う必要があるのです。

自分のアカウント情報を守るためには、まず各ユーザーが日頃からきちんとアカウントの管理を行なっておくことが大切です。パスワードの使い回しをしない、定期的にログインして異常がないか確認する、二段階認証の設定ができるなら済ませておくなど、あらかじめできそうな対策は講じておくようにしましょう。

油断大敵!パソコンのセキュリティ対策

パソコンのセキュリティ対策は、インターネットを安全に使うためには欠かせません。セキュリティ対策をしないでパソコンを使うのは、自ら犯罪に巻き込まれに行くようなものです。今まで何も起こらなかったのは、たまたま運が良かっただけです。これからも犯罪に巻き込まれないで済むという保証はどこにもありません。インターネット犯罪は、財産や信頼など私たちの人生で重要な価値を持つものを破壊してしまいます。マルウェアへの感染や、内部ネットワークへの不正アクセスなどを防ぐためにも、必ずセキュリティ対策を行うべきです。せめてユーザーとしては、セキュリティソフトを導入する、ファイアウォールを設定する、OSやソフトウェアをアップデートするといった最低限の対策だけでもやっておくようにしておきたいものです。

さらに、パソコンを使う際のユーザーの心がけによっては、被害に遭う確率をより減らすことができます。怪しいメールや添付ファイルは開かない、公共の無料Wi-Fiを使うときは個人情報のやり取りは避ける、などの対策がこれに当てはまります。ちょっと面倒なこともあるかもしれませんが、あとで後悔しないためにも、少しの手間を惜しむべきではありません。

みんなが知っているセキュリティ対策って?

インターネット社会でつつがなく生きていくためには欠かせない、パソコンやスマホのセキュリティ対策。ユーザーの皆さんの意識を探るべく、「どんなセキュリティ対策を知っているか」というテーマで、アンケート調査を実施してみました。

セキュリティソフトのインストールなどさまざまな対策があげられました!

  • セキュリティソフトをインストールする(30代/男性)
  • 指紋認証やパスワードロックなどです。(30代/女性)
  • ウィルス対策とOSのアップデート(40代/男性)
  • ウィルスバスターのような、ソフトを利用する。パスワードを複雑なものにし、定期的に変更する。(30代/女性)
  • パソコンだけでなくスマートフォンでも、アンチウィルスソフトを使用しています。また、アクセスするサイトが安心できるサイトで無い場合には、注意をしています。リモート操作されないように、必要がなければ、外部からの操作は禁止するようにしていますし、Javaも動作させないようにしています。(40代/男性)
  • セキュリティのアプリ等をインストールし、不用意に怪しいサイト等に近づかない(10代/女性)

質問

パソコンやスマートフォンのセキュリティ対策で思い浮かぶものを教えてください。

回答結果

フリー回答

調査地域:全国
調査対象:年齢不問・男女
調査期間:2017年02月24日~2017年03月01日
有効回答数:150サンプル

マルウェア対策などに効果を発揮するセキュリティソフト(アプリ)のインストールをはじめ、パスワード管理やOSの定期的なアップデートなど、ユーザーの皆さんがいろいろなセキュリティ対策を行っていることが分かる結果となりました。

個人の自覚が重要!?セキュリティ対策の必要性

インターネット犯罪から個人情報や財産を守るためには、ユーザー一人ひとりのセキュリティ意識向上を目指す必要性があります。インターネット犯罪はユーザーが思っている以上に身近な問題です。個人、法人問わず誰でも被害者になりえます。そのことを忘れてはいけません。「まだ被害に遭っていないから」とセキュリティ対策を意識せず、インターネットを使い続けるのは大変危険な行為です。もしあなたがそのような考えを抱いていたとしたら、今すぐに意識改革を行い、セキュリティ対策を講じる必要性があります。たとえばもし、勤め先で情報漏洩などのセキュリティ事故が発生した場合、株価の下落や顧客離れ、業務の停止といった深刻な事態に陥る可能性が高いです。

さらに事故を起こした当事者になってしまったとしたら、何らかの処分は免れません。最悪、懲戒解雇ということもありえます。多数の機密情報を扱うビジネスの現場では高いセキュリティ意識が要求されます。プライベートでネットを利用するよりも、より慎重さが求められるのです。一見たいしたことはないと思えるようなことでも、あとになってとんでもない結果を引き起こすこともあります。代表例としては、最近問題になっているITシャドーがあげられます。

犯罪は他人事じゃない!セキュリティ対策は人生を守る!

現代人にとって、インターネットなしで生きていくのはかなり困難なことです。プライベートでも仕事でもインターネットを利用しているという人が大半ではないでしょうか。だからこそ、増加し続けるインターネット犯罪からしっかりと身を守るために対策を講じることが必要になります。インターネット犯罪は、私たちから金銭やプライバシー、社会的な地位などを奪っていきます。セキュリティ対策をするということは、私たちの人生を守ることでもあるのです。