社内でデータを保管するためのストレージには、ローカルストレージやファイルサーバなど複数の種類があります。ストレージの種類によって導入しやすさや機能などが異なるため、それぞれの特徴を把握した上で利用することが重要です。この記事では、社内で使うストレージの種類やメリット、注意点について解説します。目的に応じて社内ストレージを適切に使い分けたい方はぜひ参考にしてください。
社内のストレージ1:ローカルストレージ
ローカルストレージとは、PCなどに内蔵されているハードディスクやSSD、USBケーブルなどでPCと接続できる外付けメモリのことです。ローカルストレージのメリットとして、社内ネットワークなどの設定をせずに簡単に使用できることが挙げられます。機器自体がネットワークに接続していないため、外部からのハッキングなどで不正アクセスされる心配もありません。ローカルストレージの注意点は、保存できるデータ容量に上限があることです。また、外部からのハッキングの対象にはならないものの、PCを経由してマルウェアに感染するリスクはあります。マルウェアが潜んだローカルストレージを他のPCに接続すると、感染が広がってしまうため、セキュリティソフトなどによる対策が必要です。
社内のストレージ2:ファイルサーバ
ファイルサーバとは、データの保管を目的として構築されたサーバのことです。ファイルサーバには、ネットワークを通じて複数の端末からアクセスできます。ファイルサーバはデータ容量を拡張できるため、大容量のファイルを扱うことが可能です。社内に構築するオンプレミス型のファイルサーバを使用する場合、機器本体や回線などのハードウェアを自社で用意する必要があります。サービス会社が提供するファイルサーバをオンラインで利用できるクラウド型なら、ハードウェアの用意は不要です。ただし、いずれのタイプを利用する場合も、サーバ構築や運用・保守に関する専門知識が求められます。また、ファイルサーバを利用する場合、ネットワークを通じた外部からの不正アクセスなどのセキュリティトラブルへの対策が必要です。
社内のストレージ3:NAS
NASとはNetwork Attached Storageの略称で、LANケーブルによってネットワークに接続できるストレージを指します。NASと同じネットワークに接続されたPCなどの端末からアクセスし、ファイルのアップロードやダウンロードなどが可能です。NASのメリットとして、ファイルサーバと比べると簡単にセットアップできることが挙げられます。ただし、ネットワーク機器の取り扱いに関する基本的な知識は必要です。また、機器内にある複数のハードディスクを組み合わせるRAIDと呼ばれる機能により、故障時にデータの復旧をしやすいこともNASのメリットです。災害などで機器全体が壊れてしまった場合にはデータが消失するため、別の場所にあるストレージにバックアップを取るなどの対策が推奨されます。
社内のストレージ4:クラウドストレージ
クラウドストレージは、オンラインで提供されるストレージです。機器を社内に設置する必要がなく、ブラウザを通じてデータを管理できます。クラウドストレージのメリットは、導入の手軽さや使いやすさなどです。複雑な設定などを自社で行うことなく、ファイルの共有や検索、共同編集などの機能を利用できます。クラウドストレージを利用する際の注意点は、導入費用だけでなく運用時の費用もかかることです。一般的に、ストレージ容量やユーザ数に応じた月額利用料が発生します。
社内ストレージの使い分け方は?
社員が使用する個々の端末でファイルを利用し、社内で共有する必要が無い場合には、簡単に使えて導入コストも比較的安いローカルストレージが適しています。データの保管だけでなく、アクセスログの監視などの機能を自社で実装したい場合は、ファイルサーバがおすすめです。サーバ構築のスキルを持つ社員がいれば、ファイルサーバの機能を柔軟にカスタマイズできます。機密性の高い情報を保管するなど、社外に設置されたストレージを利用したくない場合は、NASが適しています。ただし、NASを使用する場合はネットワークセキュリティの対策や、機器故障への対策が必須です。
社内外の複数の端末で簡単にファイルを共有したい場合、クラウドストレージが向いています。クラウドストレージなら、PCやスマホなどでファイルの閲覧や編集を行うことが可能です。社内で使うストレージにはローカルストレージやファイルサーバ、NAS、クラウドストレージなどがあります。複数人で同じファイルを利用したい場合は、ファイルサーバやNAS、クラウドストレージなどの共有機能を持ったストレージが便利です。求める機能や導入時の手間、運用・保守にかかるコストなどをふまえて社内ストレージを使い分けましょう。