システムトラブルや誤操作、サイバー攻撃、災害などが原因で大切な情報であるファイルが消失してしまう可能性があります。これにはバックアップをとって備える必要がありますが、最新のファイルを保存しておくだけでは不十分で、複数の時点でのバックアップデータを保存する世代管理が求められます。ここでは世代管理とは何か、どのような方法で行うのかについて解説します。

複数の時点でのバックアップを保存する世代管理

世代管理とは、最新データをバックアップするだけではなく、それ以前のバックアップデータも保存しておくことをいいます。例えば、1日1度バックアップをとる場合、1世代といえば1日前のデータに、3世代といえば3日前のデータにさかのぼれるように管理することを指します。数日前に誤って消したファイルを復元したい場合や、いつの間にか侵入したコンピュータウイルスの影響を受ける前の状態に戻したいなど、さまざまなトラブルに備えて、適切な状態に戻せるよう、複数の時点でのバックアップデータを保存しておく必要があるのです。

世代管理の方法

バックアップデータは、外付けのハードディスクといったストレージに保存されます。世代管理でのバックアップ方法には、下記のようにいくつかの種類があります。バックアップ方法を適切に組み合わせることで、バックアップの時間を短縮し、万が一の場合にもスムーズな復元(リストア)を可能とします。

フルバックアップ

フルバックアップとは、基本となるバックアップで、バックアップをとった時点のすべてのデータを保存します。いつの時点の状態かわかりやすく、管理しやすいことがメリットです。しかし、フルバックアップは時間がかかります。また、バックアップをとっているあいだはネットワークや稼働中のシステムにも負荷がかかってしまい、使用するバックアップ先のストレージも大量に消費してしまいます。

増分バックアップ

増分バックアップとは、最初にフルバックアップを行い、それ以降のバックアップでは前回のバックアップと比べて変更があるファイルだけを対象にバックアップを行っていく方法のことです。差分バックアップに比べ、バックアップにかかる時間とストレージの消費を少なくできます。ただし、復元時の作業は複雑になるため、フルバックアップや差分バックアップからのリストアに比べ時間を要します。

差分バックアップ

差分バックアップは、最初にフルバックアップを行い、それ以降のバックアップでは初回のフルバックアップと比べて変更があるファイルだけを対象にバックアップを行います。増分バックアップよりも、バックアップの時間は長くなります。一方で復元時には、増分バックアップよりも短い時間で終えることができます。

クラウドストレージにバックアップデータを保存することも多くなっている

もしもに備えて、適切にバックアップをとる必要があります。ただし、バックアップ用の装置や作業にコストがかかる上、バックアップ先となるハードウェアも適切に保管しなければ、焼失や故障などのおそれがあり、必ずしも万全ではありません。個人的な写真などであればiCloudやGoogleドライブを活用するといいでしょう。ビジネスユースであればよりセキュリティに優れ、大容量を保存できる有償のクラウドストレージを導入している企業が増えています。大切な情報を守る為に、どの様なシーンでどんなファイルをバックアップするのかを考えて、適切なサービスの利用を考えてみてください。

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参考ページ:バージョン管理や世代管理など日々のルーティンを自動化しよう