パソコンを使ってデスクワークを行っている人の場合、パソコン内に膨大な量の仕事関連のファイルが保存されてしまうことも少なくありません。必要なファイルにすぐにアクセスできるよう、フォルダでファイルを分類する、タグ付けするといったファイル管理を行なっている人も多いのではないでしょうか。こうしたファイル管理はパソコン上でもできますが、実はオンライン上でも可能です。ここではオンライン上の情報保管サービス、すなわちクラウドストレージを使ったファイル管理の概要について紹介します。
ファイル管理のために!クラウドサービスを使っているのは何人?
クラウドストレージはオンライン上にデータを保管できるサービスで、ファイル管理機能などの便利な機能をいくつも持っているのが特徴です。それでは、ファイル管理目的でクラウドストレージを利用している人はどれくらいいるのでしょうか。全国の男女を対象にアンケート調査を実施しました。
【質問】
ファイル管理のためにクラウドストレージサービスは利用していますか?
【回答結果】
している:32
していない:68
【アンケート概要】
調査地域:全国
調査対象:【職業】パート・アルバイト 個人事業主 公務員 正社員 派遣社員 経営者
調査期間:2017年07月06日~2017年07月13日
有効回答数:100サンプル
普及はこれから?クラウドストレージでファイル管理
アンケートをとったところ、「クラウドストレージは使っていない」と答えた人が回答者全体の約7割という結果になりました。
- 会社が小規模で業務も限られた範囲で行っているだけなので、そこまでデータを持っていない。(43歳/女性/正社員)
- 社内で検討している段階です。導入するとしたら全社での導入となります。(45歳/男性/正社員)
- 会社全体でまだやっていないので。(35歳/男性/正社員)
「そこまで大量のデータを扱わないので不要」などの理由が挙がっています。オンライン上にデータを置くことからセキュリティが心配という声も複数ありました。また、現在導入を検討中という企業もあるようです。一方、すでにクラウドストレージを積極的に活用しているという人も3割近くいます。
- 管理しているファイルが多すぎて、パソコンが重くなってしまうから。(28歳/女性/パート・アルバイト)
- 社内の人との連携を図るにも便利なため、導入している。(41歳/男性/正社員)
- 動画などあきらかに相手の負担になるファイルは、ストレージサービスを利用します。(36歳/女性/個人事業主・フリーランス)
大量のファイルを扱う人、複数人でファイルを共有する機会が多い人などはクラウドストレージのメリットを最大限に活かしているようです。
今回の調査では、クラウドストレージをファイル管理に使っている企業・個人は少数派という結果になりました。その一方で、セキュリティ面での進歩などもあって導入を検討している企業も増えていることもうかがえます。
そもそもクラウドストレージサービスとは一体どんなものなのでしょうか。ここから先の段落で詳しく解説することにしましょう。
ファイル管理も可能なクラウドストレージサービスって何?
クラウドストレージサービスは、オンライン上のデータ保管庫にデータを保存できるサービスです。パソコンのHDDにデータを保存するように、インターネット経由でサービス事業者のデータセンターにファイルを保管できます。クラウドストレージでは手元でデータを管理する必要がないため、手持ちのパソコンがクラッシュしてもデータが失われることはありません。そのため、データのバックアップ先として優れています。しかも、オンライン上のサービスですので、専用のソフトやアプリをインストールする必要はありません。アカウントを作成すればすぐに使い始めることができます。
クラウドストレージでは、ファイルのアップロードやダウンロードはすべてインターネットを通じて行われます。インターネットさえつながっていればどこからでもウェブブラウザ経由でデータにアクセスし、ファイルの閲覧や編集作業などが行なえます。しかもマルチデバイス対応なので、タブレットやスマートフォンからでもデータにアクセス可能です。
さらに、クラウドストレージサービスはデータの保管・管理ができるだけではなく、ファイル共有機能などの便利な機能を備えています。大容量ファイルを送信する、複数人でファイルを共有するといった作業も簡単にできます。その利便性の高さから、ファイル管理にクラウドストレージを導入する企業も出てきています。
クラウドサービスでファイル管理をするなら!注意すべきなのは?
便利なクラウドストレージサービスですが、使用にあたっては注意点もあります。
まずはセキュリティ対策です。クラウドサービスでは不特定多数の人間でサービスを共有することになるため、悪意のある人間がサービス内に侵入すると情報流出などのセキュリティ事故につながります。サービス事業者のほうでも、サービスのセキュリティを高めるためにさまざまな対策を講じており、特に法人向けサービスではセキュリティ機能が大幅に強化されています。しかし、それでも利用者側である程度の注意が必要です。たとえば、ログイン情報を盗まれてしまうと不正アクセスされ、データの流出や破壊といったトラブルにつながります。ログインしたままの状態で離席しない、暗号化されてないWi-Fiスポットは使わないなど、ログイン情報は慎重に管理するように心がけましょう。他サービスとのアカウントやパスワードの使い回しも避けるべきです。
もう1つの注意点は、データ消失に備えておくことです。サービス事業者側のシステム障害、あるいはウェブサイトへのサイバー攻撃によってデータの利用ができなくなったり、場合によってはデータが消失してしまったりするおそれがあります。複数のサービスでデータをバックアップしておくなど、万が一の事態への備えを怠らないようにしましょう。
おすすめのクラウドストレージサービスを教えて!
法人向けのクラウドストレージサービスを提供している事業者は複数あります。
「Fleekdrive」は、ファイルの同時編集機能など便利な機能を多数揃えたクラウドストレージサービスです。全文検索やタグ付けといった文書管理機能もあり、ファイル管理を効率化してくれます。写真や動画、音楽データをアプリなしで閲覧・利用できるのもメリットです。ログ機能、アクセス管理機能、ファイル暗号化などセキュリティ機能も充実しています。
「torocca!」は、HTMLファイルを初めとするWebサイトデータやデータベースのバックアップ・復元に使えるクラウドストレージサービスです。モニター監視がついており、サイト内へのマルウェアなどの侵入を24時間モニター監視してくれます。サイト運営を考えるならおすすめのサービスと言えるでしょう。
「JECC」は自社サーバと同じような感覚で使えるクラウド型ファイルサーバサービスです。自社サーバを構築するよりも導入・管理が簡単なうえ、社内IPアドレス上に個別にサーバを設置、社内LANとVPN接続していることからセキュリティ面でも安心できます。ちなみに、データセンターは東京と北海道があり、好きなほうを選べます。
クラウドなら便利!ファイル管理のために活用しよう!
クラウドストレージはファイルのバックアップ先はもちろん、ファイル管理ツールとしても優れています。ファイル共有機能などクラウドストレージならではの機能もありますし、インターネットがあればどこからでもデータにアクセスできたり、大容量のデータファイルが簡単にやり取りできたりするのも魅力です。法人向けサービスであればセキュリティ機能も強化されており、ビジネスユースでも安心して使えます。これからの時代にファイル管理をするなら注目のツールと言えるでしょう。