電子契約書の保管ルールは、①対象文書の範囲、②ファイル名の命名規則、③保存先(フォルダ構成)、④アクセス権限、⑤検索方法、⑥保存期間と廃棄基準の6点を決めることで整理できます。電子契約サービスを導入しても、締結後のファイル保存先や命名方法が部署ごとにばらつくと、必要な契約書をすぐに見つけられないことがあります。本記事では、電子契約書を適切に保管・管理するためのルールを6つの観点から解説します。 

対象文書を明確にする

締結済みの契約書本体だけでなく、見積書・注文書・覚書など、同じ取引に関係する書類も保管対象として整理します。電子的に授受した契約書・見積書・注文書などのうち、税法上の保存対象となる電子取引データは、社内判断だけで保管対象から除外できません。法令上の保存義務を確認したうえで、書類の関連付け方や保管を担当する部署を決めます。

対象範囲があいまいなまま運用を始めると、同じ取引に関する書類が複数の場所に分散し、後から関連書類を探す負担が増えます。

ファイル名の命名ルールを統一する

契約書ファイルは、取引先名・契約種別・締結日などを一定の順序で並べた命名規則を全社で統一します。命名ルールを統一すると、取引先名や締結日から契約書を探しやすくなります。電子的に授受した契約書は、電子帳簿保存法上の電子取引データとして保存要件を確認する必要があります。検索機能の確保が必要な場合は、取引年月日その他の日付・取引金額・取引先を検索条件として設定できるようにします。 

保存先(フォルダ構成)を設計する

保存先は、取引先別・契約種別別など、検索時に迷わない粒度でフォルダを設計します。書類を受領した後、誰がどこに保管するかまで決めておくと、部署ごとの保管先のばらつきを抑えられます。

アクセス権限を設定する

電子契約書には取引先名や金額などの機密情報が含まれるため、権限が与えられたユーザーだけがアクセスできる状態にしておくことが重要です。契約書の内容や業務上の必要性に応じて、閲覧・編集できるユーザーや部署を限定します。また、人事異動や担当変更があった際に権限を見直すルールを設けることで、不要なアクセス権限が残るのを防ぎやすくなります。

検索性を確保する

電子帳簿保存法の検索要件が適用される電子取引データは、原則として取引年月日その他の日付・取引金額・取引先で検索できるようにします。税務調査時のデータ提供などを条件に検索要件が緩和される場合もあるため、自社の適用条件を確認してください。

日常の契約管理では、担当者や契約更新日による絞り込みも役立ちます。ファイル名だけでなく文書内の文字列を検索する全文検索や、分類用のタグを使った検索も、契約書を探す方法の選択肢になります。

ただし、検索機能だけで電子帳簿保存法の保存要件を満たすわけではありません。改ざん防止措置や、保存したデータを表示・出力できる環境も別途確認する必要があります。

保存期間と廃棄・見直しの判断基準を決める

保存期間は、書類ごとに適用法令と保存期間の起算日を確認したうえで、契約の有効期間・更新状況、紛争対応などの継続保管の必要性、社内規程を踏まえて決めます。

例えば、法人税法上、契約書を含む取引関係書類の保存期間は、原則としてその事業年度の確定申告書の提出期限の翌日から7年間です。青色申告書を提出した事業年度で欠損金が生じた場合など、10年間の保存が必要となるケースもあります。電子取引に該当する書類は、電子帳簿保存法に基づく電子データの保存要件も確認してください。

保存期間が満了しても、契約が継続している場合や紛争対応などで保管が必要な場合は、直ちに廃棄せず、担当部署が確認したうえで判断します。保存期間の満了後に何を確認し、誰が廃棄を承認するかについても、あらかじめルールを定めておきましょう。

保管ルールの運用にFleekdriveを活用する

保管ルールを決めても、検索項目の登録や取引先別の仕分けを手作業で行うと、担当者の負担が増えます。Fleekdriveの電子帳簿保存法オプションでは、事前に設定した命名規則に基づき、ファイル名から検索項目を自動登録できます。また、振り分けルールを設定することで、受領した書類を取引先ごとの保管先へ自動的に振り分けられます。契約書を探す際は、ファイル内の文字列をAND・OR・NOTで検索する全文検索や、メタタグによる分類・検索を利用できます。

保存期間を決めた後は、ライフサイクル管理機能で保管期限を指定し、期限経過後にアーカイブ・ゴミ箱への移動・削除などの処理を設定できます。ただし、法定保存期間や契約の継続状況を確認せずに、自動削除を設定しないようにしてください。

電子契約書の保管ルール 判断表

観点決めること判断のポイント
対象文書契約書本体と関連書類の範囲同一取引の書類をまとめて管理できるか
命名命名規則の統一取引先名・契約種別・締結日などの順序を決めているか
保存先フォルダ構成取引先別・契約種別別など検索しやすい粒度か
権限アクセス範囲部署・役職に応じてアクセスできる人を限定しているか
検索検索条件・機能取引日・取引先・金額・担当者などで絞り込めるか
保存・廃棄保存期間・廃棄基準適用法令と保存期間の起算日、契約の継続状況、廃棄時の承認方法を確認したか

よくある質問(FAQ)

Q. 電子契約書の保存先はフォルダで分けるべきですか?

取引先別や契約種別別など、普段の探し方に合わせてフォルダを分けると、必要な契約書を探しやすくなります。関連書類の保管先も統一しておきましょう。

Q. 誰でも契約書を閲覧できる状態にしても問題ありませんか?

契約書には取引先名や金額などの機密情報が含まれるため、権限が与えられたユーザーだけがアクセスできる状態にしておくことが望ましいです。

Q. 保存期間はどのように決めればよいですか?

まず、適用法令と保存期間の起算日を確認します。法人税法上、契約書を含む取引関係書類は原則7年間の保存が必要ですが、一定の条件では10年間となります。契約の継続状況や紛争対応の必要性も踏まえ、社内の保存期間を決めてください。

Q. ファイル名検索だけで十分ですか?

ファイル名検索に加えて、文書内の文字列まで検索できる全文検索や、取引日・取引先・金額などの条件を組み合わせた検索を併用すると、必要な契約書を見つけやすくなります。

まとめ

電子契約書の保管ルールは、対象文書・命名・保存先・権限・検索・保存期間と廃棄基準の6点を整理することが基本です。法令上の保存義務を確認したうえで、契約書を必要なときに探せる状態を整えましょう。