プレゼンで話す内容を補足したり、聴衆の理解を助けてくれたりするのが、スライドなどの資料です。プレゼンのメインはあくまで話し手の言葉ですが、口頭で説明するよりも、グラフや画像などがあったほうが具体的にイメージを伝えられることもあります。したがってプレゼンを成功させるためには、わかりやすい資料を作ることも重要になるのです。どうすればわかりやすい資料を作れるのか、ここでは作り方のコツを紹介します。

プレゼンの資料作りが苦手なのはなぜ?

プレゼンの資料作りで苦労している人は多いのではないでしょうか。具体的にどんな点を難しいと感じているのか、全国の男女200人を対象にアンケート調査を実施してみました。

【質問】
プレゼンの資料作りで難しいと思う点を具体的に挙げてください。

【回答結果】
フリー回答

【アンケート概要】
調査地域:全国
調査対象:年齢不問・男女
調査期間:2017年03月10日~2017年03月16日
有効回答数:200サンプル

見やすく、わかりやすく!これがなかなか難しい!?

  • ワードなら、グラフ等の配置に気を遣います。読む人が見やすい資料作りをするのが、大変です。パワーポイントなら、一枚一枚の文字数が多くなってしまう傾向があるので、簡潔にまとめるのが難しいです。(30代/女性)
  • 問題点や解決策や注目してほしい部分を説明ならいくらでも話せて分かってもらえるが資料は言葉を多く並べずにシンプルに率直に分かってもらえるようにしなきゃいけないので難しい。(20代/女性)
  • 自分がわかっていることは他人もわかっていると思い込まずに、わかりやすく説明する内容を作ること。(30代/男性)
  • 色使いですね。全部モノクロだと濃淡になってどこが重要かわかりづらいので、要点となる文言や図解は目立つようにします。(30代/男性)
  • 文章だけではなく、グラフや表をどのように取り入れるかが資料作りで難しいです。(20代/女性)

見やすいレイアウトにテキストやデータをまとめること、見る人がすぐに内容を理解できるシンプルさといった点を挙げてくれた人が多かったです。どれも簡単なようでいて、難しいことばかりですよね。いかに要素を絞り込みつつ、見やすい資料を作るか、ということが、資料の作り方におけるコツになってくるようです。

プレゼンで伝わるのはどういう資料?

それではよいプレゼンの資料とは、具体的にどのようなものなのでしょうか。ここでは資料の作り方を考える上で、チェックしておきたいポイントを4つ紹介します。

  • 一目で内容が理解できること
    内容が複雑な資料は読むのが大変です。誰が見てもすぐに分かるような、シンプルな構成を心がけましょう。内容の詰め込みすぎや、長文のテキストなどは避けるべきです。ちなみに資料の各ページにどれくらい時間をかけるのかあらかじめ時間配分を決めておくと、プレゼンの時間が予定より短くなったときでも冷静に対処できます。
  • 視認性に優れていること
    資料は目で見るものですので、目に優しいデザインを心がけることは大切です。文字やグラフの大きさはもちろん、色彩やデザインなどがごちゃごちゃしていないか、デザイン全体の統一感やバランスといった点もチェックしましょう。
  • 内容ごとにきちんとグルーピングされていること
    同じ項目同士を近づけ、違う項目同士を離すグルーピングは、見やすい資料を作るのには欠かせません。同じテーマのテキストや画像などは1ヶ所にまとめるなど、テキストやオブジェクトの配置にも気を配りましょう。
  • テーマが目立つように書かれていること
    プレゼン内で伝えたいテーマは、フォントやカラーを使って資料内でも目立たせましょう。テーマより重要性の低いメッセージが目立つと、テーマがぼやけてしまいます。

伝わる資料作り!構想の練り方や注意ポイント

わかりやすい資料を作るためにはコツがあります。ここでは資料作りのときに心がけてほしいことを5つ紹介します。

  • 紙の上で構想を練る
    いきなりパソコンで資料を作り始めるのではなく、紙で目次などの構想を練ってからパソコンに向かいましょう。ほとんどの場合、そのほうが効率的に資料を作成できます。
  • 目次を作る
    スライドを作る場合は、ぜひ目次スライドを作成しましょう。プレゼン中に適時この目次スライドを挟むと、聞き手が情報を整理しやすくなります。
  • 基本は1ページ(スライド)に1メッセージ
    資料は、シンプルな内容を心がけるのが鉄則です。1ページ1メッセージを心がけると、見る人にとって印象の残りやすい資料ができます。あれもこれもと詰め込むのではなく、むしろ内容を絞りこみましょう。
  • 言葉だけに頼らない
    資料を読んだ人が一目で内容を理解できるように、テキストは短く、簡潔に書きましょう。すべて言葉で説明するのではなく、グラフや表などを活用するのもよい方法です。
  • インデックス番号の活用
    タイトルや事柄を列挙するときは、インデックス番号をつけて内容を整理しましょう。そうすることで初めて聞く話でも、聞き手が理解しやすくなります。

視認性に優れた資料作りを!

資料は目で見るものですので、聞き手に「見やすい」と感じさせることは重要です。視認性に優れた資料を作るためには、次の5つのポイントを押さえることが重要になります。

  • 「Zの法則」を利用する
    人の視線の動きには法則性があります。たとえば横書きの資料の場合、人の視線は、左上から右上、右上から左下、左下から右下へと「Z」の形に動く傾向があります。その動きに合わせてレイアウトを考えると、聴衆の視線を効果的に誘導することができます。
  • 色は3つに絞る
    見づらくなるのを避けるため、使う色は3色程度にとどめるのがおすすめです。
    メインカラー(全体の25%)は、見出しやテーマなど資料の要所に使う、メインになる色です。
    ベースカラー(全体の70%)は資料の背景色などに使います。白など目立たない色を使うのが基本です。
    アクセントカラー(全体の5%)は特に注目してほしい内容や注意事項などに使います。メインカラーと明度違いの同系色や補色などを使うとよいでしょう。
  • レイアウトに統一感をもたせる
    見やすい資料を作るためには。レイアウトの統一感も重要です。テキストやグラフ、画像などの配置や間隔は揃えましょう。また見た目がごちゃごちゃするのを避けるため、フォントも統一するようにしましょう。なお、珍しいフォントを使わないことも見やすい資料作りには大切です。
  • 余白は多めにとる
    余白を多めに取ったほうが見やすい資料になります。配布資料の場合、書き込みができる分聞き手が話に集中しやすくなるというメリットもあります。
  • テキストと図形をバランスよく配置する
    基本的に、資料内におけるテキストとグラフなどの図形の配分は統一するようにしましょう。文章ばかり、図形ばかりといった資料は避けるべきです。

お手本となる資料を共有する

見やすくわかりやすい資料のポイントをご紹介してきましたが、そう簡単に実践できるものではないと思う方も多いでしょう。そのような場合に有効なのが、お手本となる資料をもとに作成していく「テンプレート活用」です。企業利用であれば、共通のデザインで資料作成することで統一感を出せますし、いくつかの用途に応じたテンプレートを用意しておけば、自分で初めから作成することなく、作業効率も上がります。オンラインストレージサービスを利用すれば、拠点をまたいでより良い「お手本」を共有することができるでしょう。

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まとめ

プレゼンの資料で重要なのは、見やすさとわかりやすさです。遠くから見たときでも読みやすく、また誰もが一目で内容を把握できるような資料が理想といえます。テキストを詰め込みすぎる、カラフルな色使いなどの凝ったデザインへのこだわるなどは、かえって見づらさ、わかりづらさにつながります。目次を作る、インデックス番号を作るなどして聞き手の理解を助けつつ、シンプルで統一感のあるレイアウトを目指しましょう。