ウイルスを始めとする不正なプログラム・マルウェアは、私達のパソコンに大きな損害を与えます。時として、個人情報流出や金銭的被害につながるケースも珍しくありません。パソコンをマルウェアの感染から守るためには、まずは感染経路について知る必要があります。サイバー犯罪者の手口を知り、マルウェア対策に役立てていきましょう。

パソコンがウイルスに感染する原因は何だと思う?

パソコンがウイルスなどのマルウェアに感染する主要な原因には何があるのでしょうか。ユーザーの意識を知るためにアンケート調査を実施してみました。

怪しいメールやファイルに危険なサイト… インターネットには危険がたくさん

・詐欺メールを開いてしまったり変なウェブサイトにアクセスしてしまったことが原因だと思う(35歳/男性/正社員)
・身に覚えのないメールのリンクをクリックすること。むやみにネットからファイルをダウンロードすること。(43歳/女性/正社員)
・悪意のあるサイトにアクセスしてしまうことが原因だと思います。そのサイト主が個人情報などを盗み取ろうと不正なプログラムをサイトに組み込むからだと思います。(21歳/男性/パート・アルバイト)
・怪しいサイトやメールを開くとウイルスに感染するイメージがあります。(22歳/女性/パート・アルバイト)
・怪しいアプリをダウンロードしたり、怪しいサイトでボタンをクリックしてしまうことが主原因だと思います。理由としては、世の中のペースが速くなりすぎて、確認不足の人が多くなったことと、人気アプリに似せるなど手口が巧妙になっているためだと思います。(47歳/男性/正社員)
・ウイルスソフトを使用しないこと。メールなどの添付ファイル型は怪しいメールを開かなければ感染しませんが、インターネットのサイト上に埋め込まれているものは、気づきにくく防ぎようがないため。(39歳/男性/経営者)

【質問】
パソコンにウイルスが感染する一番の原因は何だと思いますか?原因とそう思う理由を教えてください。

【回答結果】
フリー回答

【アンケート概要】
調査地域:全国
調査対象:【年齢】20 – 【職業】パート・アルバイト 個人事業主 公務員 正社員 派遣社員 経営者
調査期間:2017年05月12日~2017年05月19日
有効回答数:100サンプル

主なウイルスの感染原因として、怪しいメールの開封や出所不明のファイル、ソフトウェアのダウンロード、危険なサイトの閲覧といった意見が多く挙がりました。これらの脅威に対処するためセキュリティソフトの重要性を訴える人も。
インターネットは便利な反面その利用には危険が伴います。なるべく怪しいものに近づかないようにしつつ、セキュリティソフトでガードを固めることが対策のカギになるようです。

Web閲覧中に感染

ウイルスの中には、Webサイトを見るだけで感染してしまうものもあります。Webサイトというと、アダルトサイトなどのいかにも怪しいサイトをイメージする人もいるでしょう。たしかに、昔はこうしたサイトから悪意のあるサイトに誘導されることが多々ありました。しかし、それ以外の例も少なくありません。サイバー攻撃によって正規のホームページが改ざんされ、利用者にウイルスを配布するように書き換えられる例もあります。そのため、大手企業や官公庁の公式サイトだからといって安心はできません。
Web感染型のウイルスは、システムやプログラムの脆弱性を突いて攻撃を行います。感染を防ぐためには怪しいサイトに近づかないのはもちろんのこと、パソコンのOSおよびJava、AdobeFlash Player、Adobe Readerといった、Webサイト閲覧でよく使うソフトウェアを常に最新の状態にしておく必要があります。高性能のセキュリティソフトを導入するのも大切です。

ネットワークに接続しただけで…

マルウェアの中にはパソコンをネットワークに接続しただけで感染の危険があるものがあります。これは特にワームで問題になります。
独立したプログラムであるワームは、ウイルスのように特定のファイルに寄生しません。独自に行動し、どんどん増殖していきます。さらに、パソコンに侵入したワームはネットワークを通して次の感染先を探し、感染を拡大させていきます。なかには、共有フォルダからワームに感染してしまう場合もあります。ワームに感染したパソコンが、ワームを仕込んだ共有フォルダをファイル共有ネットワークに置き、そのフォルダを通して同一ネットワーク上の他のパソコンに感染が広がってしまうのです。
ネットワークにつながっている以上、ワームをはじめとするマルウェアがパソコンを攻撃してくる可能性は常にあります。主な対策方法としては、ファイアウォール機能を持つセキュリティソフトを導入する、OSやソフトウェアをまめに更新するといったことが挙げられます。

メールの添付ファイルやHTMLスクリプト

メールもマルウェア・ウイルスの感染経路として使われます。メールの添付ファイルにウイルスが仕込まれていることもあります。対策としては、知らない人からの添付ファイルを開かないのはもちろん重要ですが、友人・知人からのメールも安全とは言い切れません。感染したパソコンが勝手にウイルス付きのメールをばらまいていることがあるからです。特に.vbs、.bat、.exe、.pif、.scrなどの拡張子を持つ添付ファイルは危険です。たとえ知り合いからのメールであっても、不用意に開かないように注意しましょう。
なかには、メールを開いただけでウイルスに感染することもあります。HTML形式のメールには有害なHTMLスクリプトが埋め込まれている危険性があります。こうしたスクリプトはメールを開いただけで実行されます。怪しいメールは開かないようにするほか、メールの読み取りをすべてテキスト形式にする、プレビュー表示はしないといった対策が必要になります。

USBメモリなどの外部ドライブに気をつけて

USBメモリや外付けHDDなどの外部ドライブがウイルスの感染源になることがあります。ウイルスに感染したパソコンにこれらの外部ドライブを接続していると、パソコン内から外部ドライブに感染が広がってしまうのです。ウイルスに感染したUSBメモリなどを他のパソコンに差し込むと、今度は他のパソコンに被害が拡大していきます。USBメモリなどでデータを持ち運んでいる人、友人・知人とデータの受け渡しをよく行っている人は特に注意が必要です。
パソコン内にウイルスを招かないためにも、外部ドライブの持ち出し・持ち込み時には必ずセキュリティソフトで外部ドライブ内のウイルスチェックを行なうようにしましょう。
USBメモリや外付けHDDのなかには、それ自体にウイルスチェック機能が付いているものもあります。直接セキュリティソフトで外部ドライブ内を調べるほか、こうしたウイルスチェック機能付きの外部ドライブを使うとより安心できるでしょう。

まとめ

マルウェアの侵入経路にはさまざまなパターンが考えられます。メールの添付ファイルや怪しいアプリケーションのダウンロードといった定番のほか、企業の公式WebサイトやUSBなどの外部ドライブから侵入するケースもあります。パソコンを使っている以上は、常にセキュリティ対策を意識して行動する必要がありそうです。