仕事で結果を出すためにも、プレゼンテーションは避けて通れません。幸いなことに、プレゼンは習得可能な技術です。確かにプレゼンの天才といわれる人もなかにはいますが、人前で話すのが苦手という人でも伝わるプレゼンはできます。事前準備をしっかり行い、練習を重ねることでプレゼンはうまくなります。自信と余裕にあふれた態度も、わかりやすく起伏に富んだ話し方も、すべて日頃の鍛錬から作られているのです。
聞いている方が不安になりそう……自信がなさそうに見える話し方
プレゼンでは話し手の話し方や振る舞いも重要です。次のような話し方や態度は、プレゼンがうまくいかない原因になってしまいます。
- 聞き手に不安を感じさせるような話し方
まず声が小さいと、聞き手が話を理解しづらくなるうえに、喋っている内容に自信がなさそうに見えてしまいます。聞き取れるボリュームの声で話しましょう。またプレゼン中に何度もつっかえてしまうと、プレゼン内容への理解が不十分なように見えてしまいます。声に出して何度も練習をするとよいでしょう。 - 声に表情や抑揚がない
一定のトーンで喋り続けてしまうと、聞き手の集中力が切れやすくなります。重要な部分では声を大きくするなど、内容によってメリハリをつけましょう。 - 視線が聞き手に向いていない
資料ばかり見て聞き手に視線を合わせない、どこを見ているのかわからないといった、視線の問題もあります。一人ひとりとアイコンタクトを取るようにしないと、聴衆が自分に対して話してくれているという実感が持てなくなり、話を真剣に聞いてもらえません。 - 硬く、余裕を感じさせないような振る舞い
落ち着きのない動作や硬い表情は、聞き手にあまりいい印象を与えません。明るい笑顔、そして落ち着いた振る舞いを心がけましょう。また話している最中全く動きがないと、聴衆が途中で飽きてしまいます。棒立ちのまま話し続けるのではなく、ジェスチャーなどの動きを入れましょう。
プレゼンの話し方で心がけていることはなに?
プレゼンでは内容はもちろん、話し手の話し方も重視されます。実際プレゼンの経験がある人はどのような話し方を心がけているのでしょうか。全国の男女200人に訊いてみました。
シンプルな表現を使う、はっきりゆっくり話す…工夫の仕方はいろいろ!
- 話して伝えるときは、難しい言葉や長い文章は理解されづらくなるので、できる限り誰でもわかるような、シンプルな言葉や文章を使って話す。(20代/男性)
- つまらない話しか出来ないので、せめてはっきりした声でゆっくり話そうとしています。(30代/女性)
- ゆっくり丁寧で、相手を見ながら、話している内容を相手が理解しているか確認しながら進める。(40代/男性)
- 相手の目を見てしゃべるようにしています。(20代/女性)
- 優しく短い言葉で簡易に解りやすい表現で、大事な項目は何度も言葉を換えて表現し、印象づける話し方を心がけています(40代/男性)
- 明るくハッキリとゆっくり話すこと。(40代/女性)
【質問】
プレゼンをする時、どのような話し方を心がけていますか?
【回答結果】
フリー回答
【アンケート概要】
調査地域:全国
調査対象:年齢不問・男女
調査期間:2017年03月10日~2017年03月16日
有効回答数:200サンプル
平易でシンプルな表現を心がける、はっきりゆっくり話す、聞き手とアイコンタクトをとるなど、さまざまな工夫をしているようです。どれもプレゼンでは大切といわれるテクニックばかりですよね。基本に忠実に努力をしている人が多いことがわかりました。
練習は必須!プレゼンの話し方のコツとは?
プレゼンを成功させるためには、事前の準備が重要です。本番を迎えるまでに、何回も練習するようにしましょう。コツは練習でも目の前に相手がいることを意識することです。できれば練習を誰かに見てもらい、ダメ出ししてもらうとベターです。練習の際には、次のようなポイントを意識するとよいでしょう。
- 聞き取りやすい声でゆっくり、メリハリをつけて話すこと
まず心がけたいのが、部屋の大きさや聞き手に合わせたボリュームで話すことです。話すスピードについては、ゆっくり話すと、余裕のある態度にうつります。緊張すると早口になりやすいので気をつけましょう。聞き手が話についていけるよう、適度に間をとることも大切です。また声にも表情を出しましょう。話の内容によって、話し方に差をつけると、メリハリのあるプレゼンになります。重要な部分は、特に声を大きくするなど強調して話すようにするとよいでしょう。 - 姿勢よく、表情豊かに振る舞うこと
猫背や後ろで手を組んだ姿勢は、聞き手に悪い印象を与えます。背筋を伸ばし、胸を張った正しい姿勢で立ちましょう。自信があるように見せるために、視線は下げすぎないようにしましょう。表情は口角を上げ、自然な笑顔を作ります。さらに話すときは、スライドを手で指し示すなどジェスチャーを交え、動きを入れましょう。 - アイコンタクトにも注意して
プレゼン中は、聴衆にまんべんなく視線を向けるようにしましょう。1人の相手をじっと見すぎないよう、順々に視線を移していきます。どうしても資料を見たいときは、資料と聴衆を交互に見るようにしましょう。
言葉の選び方や話す時の心がまえ
話し方や態度だけではなく、言葉の選び方や話す時の心がまえにもコツはあります。練習のときにも意識するとよいでしょう。
- 聞き手がイメージしやすい言葉を選ぶ
相手のレベルに合わせて言葉を選びましょう。素人に話す場合は専門用語を噛み砕いて話すべきですし、専門家に話す場合には専門用語が多いほうがかえってスムーズに行く可能性もあります。 - 非単語の使用は原則として避ける
「えー」、「あのー」といった非単語の使用は避けましょう。非単語を使いすぎると、聴衆の意識がそちらに向いてしまい、プレゼンの中身に集中してもらえなくなります。 - 抽象的な単語ばかりではなく具体的な単語を混ぜる
具体的な数字やデータ、実例を交えることで、より的確に相手にイメージを伝えることができます。 - 聴衆ひとりひとりに話しかけるイメージを持つ
一方的に自分の話したいことを話さないように注意しましょう。重要なセンテンスのあとではわざと間を置いて、相手に考える時間を与えます。「あなたはどう思いますか?」など問いかけを入れながら話すと、聴衆に共感してもらいやすくなります。
まとめ
プレゼンを成功させるためには、話し手の態度や話し方にもいくつかのコツがあります。すべて事前の練習である程度どうにかできるものですので、きちんと準備をして臨めば大丈夫です。話下手な人、人前に出るのが苦手な人でも、上手なプレゼンはできます。基本のポイントを押さえながら、何度も声に出して練習を行うことで、プレゼンのスキルはどんどん上達していきます。工夫とやる気でプレゼン名人を目指しましょう。