建設や製造、クリエイティブの現場では、図面データや現場写真、動画ファイルなど、メールに添付できない大容量ファイルのやり取りに悩まされる場面が少なくありません。「何度分割しても容量オーバーで戻ってくる」「取引先にデータを送るたびに時間がかかる」といったストレスは、現場の生産性を大きく下げてしまいます。

その場しのぎとして無料のファイル転送サービスやパスワード付きZIPファイルに頼っていると、セキュリティやガバナンスの面で思わぬリスクを抱え込むことになりかねません。本記事では、大容量データを「送る」のではなく、クラウド上に「安全に置いて共有する」考え方に切り替えることで、現場の負担を減らしつつ取引先からの信頼を守る方法を解説します。

大容量ファイルでよくある現場の悩み

建設現場の施工写真、製造業のCADデータやBIMモデル、制作会社の高解像度動画などは、1ファイルあたりの容量が数百MBから数GBに達することがあります。その結果、次のような状況が起こりやすくなります。

  • メールの容量制限にひっかかり、何度も送信エラーになる
  • 圧縮や分割に時間がかかり、現場での確認作業が遅れる
  • 取引先側の受信環境によっては、ファイルを展開するだけでも一苦労になる

こうした問題を「一時的な工夫」で乗り切ろうとすると、後述するセキュリティリスクや管理の抜け漏れにつながります。

無料転送サービスとPPAPに潜むリスク

無料ファイル転送サービスのビジネス上のリスク

メールで送れない大容量データを手早く届ける手段として、無料のファイル転送サービスを使うケースは少なくありません。しかし、業務での利用には次のような懸念があります。

  • ダウンロードページに多数の広告が表示され、取引先の画面に望ましくない広告が並ぶ可能性がある
  • 企業として正式に選定したサービスではないため、「セキュリティ意識が低い」という印象を与えかねない
  • 取引先のセキュリティポリシーによっては、無料サービスへのアクセス自体がブロックされ、業務が止まる場合がある

短期的には便利でも、「どのサービスを誰が使っているか」を会社として把握しづらく、ガバナンスの観点ではリスクが残ります。

シャドーITとしての情報漏えいリスク

会社が許可していないツールを従業員が個人判断で利用することは、一般に「シャドーIT」と呼ばれます。無料転送サービスにアップロードされたファイルは、一時的であっても外部事業者のサーバーに保存されます。もしそのサービスで情報漏洩が発生した場合、次のような問題が生じます。

  • どの従業員が、どのファイルを、いつアップロードしたのかを会社側で追跡するのが難しい
  • アクセスログが手元に残らず、原因調査や再発防止策の検討がしづらい

こうしたリスクは、IPAの「情報セキュリティ10大脅威 2024」で指摘されている、内部不正や不注意による情報漏洩の一因にもなり得るものです。

PPAP見直しの流れ

これまでメールでファイルをやり取りする際には、パスワード付きZIPファイル(いわゆるPPAP)が広く使われてきました。しかし、PPAPはマルウェア検査をすり抜けやすいことなどから、政府機関を含めて見直しが進んでいます。内閣府でも2020年にPPAPの廃止方針が示されており、現在はクラウドストレージを用いたリンク共有など、別の手段を検討することが主流になりつつあります。メール添付や無料転送サービスだけに頼る運用は、もはや「慣例だから続ける」だけでは済まない段階に来ています。

「送る」から「共有する」への発想転換

データを「渡す」から「見てもらう」へ

これからの大容量ファイル共有では、「データそのものを相手に渡す」のではなく「クラウド上に保管しておき、その場所(URL)を共有する」という発想が重要になります。

  • データの保存場所は自社が管理するクラウドストレージ上に統一する
  • 取引先にはファイルそのものではなく、閲覧やダウンロードの権限を付与する
  • 権限の設定や有効期限を細かくコントロールし、必要な相手だけにアクセスを許可する

このように、ファイルの実体は常に自社の管理下に置きながら、外部との共有だけを柔軟にコントロールする運用に切り替えることで、セキュリティと利便性の両立が期待できます。

誤送信時に「あとから止められる」安心感

メールや無料転送サービス経由でファイルを送ってしまうと、送信後に誤送信に気づいても、データの行方をコントロールすることはほとんどできません。一方、クラウドストレージのリンク共有であれば、誤送信に気づいた時点で:

  • 該当リンクのアクセス権限を無効化する
  • 閲覧できるユーザーや有効期限を変更する

といった対応が可能です。権限管理の主導権を常に自社側で持ち続けることが、実務的な意味での「安全性」に直結します。

Fleekdriveで実現する安全な大容量ファイル共有

Fleekdriveは、単なる保存場所ではなく、企業間のコラボレーションを前提に設計された法人向けオンラインストレージです。特に大容量ファイルを扱う現場に役立つ機能を見ていきます。

ブラウザプレビューで現場の待ち時間を減らす

数GB規模の動画や高解像度の設計データを確認するためだけに、毎回ダウンロードとアプリ起動を繰り返すのは大きな負担になります。Fleekdriveのファイルプレビュー機能を利用すれば、対応形式のファイルであればブラウザ上でそのまま内容を確認できます。

  • 現場担当者はURLにアクセスするだけで内容をチェックできる
  • 取引先側のPC容量を圧迫せずにレビューが進められる
  • データの一時保存が減ることで、管理の煩雑さも抑えられる

確認のための待ち時間や手戻りを減らし、現場の業務スピード向上につながります。

ワンタイムパスワードと監査ログによるガバナンス強化

社外との共有リンクを発行する際には、ワンタイムパスワードを自動付与する運用を取ることで、URLが第三者に知られても簡単にはアクセスされない状態を作れます。さらに、Fleekdriveでは次のような情報をログとして記録できます。

  • いつアクセスしたか
  • 誰がアクセスしたか
  • どのIPアドレスからアクセスしたか
  • どのファイルをプレビュー・ダウンロードしたか

「ファイルが届いていない」という問い合わせ対応や、万が一インシデントが発生した際の調査にも役立ちます。シャドーITによる利用状況の見えづらさとは対照的に、ガバナンスのきいた運用が可能になります。

自動ウイルスチェックで取引先を巻き込んだセキュリティ対策

Fleekdriveでは、アップロード時に自動でウイルスチェックを行うことができます。これにより、取引先から受け取った大容量ファイルにマルウェアが含まれていた場合でも、社内ネットワークに広がる前の段階で検知できる可能性が高まります。

  • サプライチェーン全体でのセキュリティレベル向上に寄与する
  • 「受け取ったファイルをそのまま社内に展開してしまう」リスクを減らせる

自社だけでなく取引先を含めた信頼関係の維持にもつながるポイントです。

まとめ:安全なファイル共有は企業の信頼インフラ

大容量ファイルのやり取りは、多くの現場で避けて通れない業務になっています。その一方で、「容量制限があるから」「急いでいるから」といった理由で無料ツールや個人判断の運用に頼り続けると、情報漏洩やガバナンスの形骸化といったリスクが積み重なっていきます。

  • 現場の時短:圧縮や分割の手間を減らし、URL共有でスムーズにやり取りできる
  • 管理者の安心:誰が何にアクセスしたかをログで把握でき、シャドーITを抑制できる
  • 取引先からの信頼:正式なクラウドストレージ運用により「セキュリティに配慮している企業」という評価を得やすくなる

「送れれば何でもいい」というスタンスから一歩進み、「安全に共有し、きちんと管理する」仕組みを整えることが、これからの企業にとって欠かせない基盤になりつつあります。まずは、現在利用しているファイル共有の手段とルールを整理し、Fleekdriveのような法人向けクラウドストレージを軸にした運用への切り替えを検討してみてはいかがでしょうか。