製造業で発生する品質記録の登録・検索・閲覧権限を統一するには、記録の種類ごとに登録ルールを決め、現場から直接登録できる仕組みを整えたうえで、権限設定によって閲覧・編集の範囲を分け、全文検索とタグで必要な記録をすぐに探せる状態にすることが必要です。

紙の記録や部署別フォルダに情報が分散したままでは、監査や是正対応のたびに記録を探す時間がかかり、担当者の負担が大きくなります。本記事では、製造現場と品質保証部門が同じ基準で品質記録を管理するための具体的な流れを整理します。

製造業における品質記録とは何か

品質記録とは、製品やプロセスの品質を証明するために作成・保管される記録の総称です。製造業では主に次のような記録が発生します。

  • 受入検査記録
  • 工程内検査記録
  • 出荷検査記録
  • 是正処置・予防処置の記録
  • 監査・審査に関する記録

これらの記録は作成する部署や工程が異なるため、フォーマットも保管場所もばらつきやすく、統一した管理ルールがないまま運用されているケースが多く見られます。

品質記録が分散してしまう現場の課題

製造現場では、紙の検査表をロッカーやバインダーで保管し、品質保証部門はExcelファイルを部署別フォルダで管理する、といった運用がよく見られます。この状態では、次のような課題が生じます。

  • 監査時に必要な記録がどこにあるか分からず、探す時間がかかる
  • 誰がいつ記録を修正したのか履歴が残らない
  • 部署をまたいで記録を確認したいときに、閲覧権限が整理されていない
  • 同じ記録の古いバージョンと新しいバージョンが混在してしまう

これらの課題は、記録の登録ルールと権限管理、検索の仕組みを統一することで解消できます。

品質記録を管理するための運用フロー

品質記録を現場と管理部門で共有しながら管理するには、次の4つのステップで運用を整理します。

  1. 記録の種類ごとに登録ルールを決める:受入検査記録・工程内検査記録・是正処置記録など、記録の種類ごとに保存場所と命名ルールを決めます。あわせて、品番・ロット番号・検査日・作成者など、後から製品や工程を特定するために必要な情報と、記録の保存期間を定めます。
  2. 現場から記録を登録する:検査後は、電子データを所定の保存場所へ登録します。紙の検査記録は、スキャンしてPDF化するなど、自社の運用に合った方法で電子化し、登録までの時間を短縮します。
  3. 権限を設定し閲覧・編集範囲を分ける:現場担当者と品質保証部門で、閲覧できる範囲・編集できる範囲を分けます。
  4. 検索できる状態を保ち監査に備える:ファイル名やタグを統一し、必要な記録を検索できる状態にします。電子ファイル内の文字列を検索する場合は、検索対象となる形式で保存されているか確認し、変更履歴も残しておきます。

現場入力を定着させるポイント

現場からの登録を定着させるには、記録の登録先・担当者・登録期限を明確にし、検査後すぐに登録できる手順を整えます。紙の記録と電子データが混在する場合も、登録後は同じ管理ルールで扱えるようにします。

また、記録に不足があった場合の確認方法や修正手順を決めておくと、現場と品質保証部門の間で対応が滞ることを防ぎやすくなります。

品質記録の権限をどう分けるか(権限例)

品質記録は、現場担当者・品質保証部門・システム管理者で必要な権限が異なります。記録の種類や担当業務に応じて、誰が閲覧・登録・編集できるかを整理します。例えば、次のような権限設計が考えられます。

立場想定される権限
現場担当者自部門の記録フォルダへの登録・閲覧権限
品質保証部門全部門の記録フォルダへの閲覧権限、是正処置記録の編集権限
システム管理者ユーザ・グループの管理、アクセス権限の設定・点検

部署ごとに管理担当者を置く場合も、ユーザ・グループの管理と記録の閲覧・編集権限は分けて考えます。設定した権限を一覧化し、担当者の異動や組織変更に合わせて定期的に確認することが重要です。

なお、具体的な権限設計は工場の組織体制や記録の種類によって異なるため、自社の運用に合わせて調整が必要です。

品質記録を検索できる状態にする

品質記録は保管するだけでなく、必要なときにすぐ取り出せる状態にしておく必要があります。ファイル名に加えて、品番・ロット番号・検査日などの情報を記録に付与し、製品や工程から必要な記録を探せるようにします。

記録の種類ごとにタグを付けておくと、フォルダをまたいだ検索や整理にも役立ちます。また、紙の検査記録をスキャンして保存する場合は、OCR(文字認識)処理によって文字情報を付与すると、記録の内容も検索対象にできます。ただし、OCRでは文字を正しく認識できない場合もあるため、検査値などの重要な情報は元の記録と照合する必要があります。

監査対応に備える記録管理

監査や審査に備えるには、必要な品質記録を提示できるようにし、記録の作成・更新の経緯も確認できる状態にしておくことが重要です。

記録を改訂する際は、過去の版を参照できるようにし、変更箇所や修正の経緯を確認できる運用を整えます。また、検査実施者や承認者、記録を訂正した理由など、自社の品質管理で必要な情報は、記録そのものや定められた手順に従って管理します。

更新した記録を関係者が確認できるよう、通知方法や確認担当者も決めておきます。ファイルの更新履歴だけで品質記録の管理が完結するわけではないため、記録の作成から改訂・保管まで、一貫した管理ルールを設けることが重要です。

Fleekdriveを活用した品質記録の共有・管理

品質記録の登録ルールや権限設計を整えたら、現場と品質保証部門が同じ仕組みで記録を管理できる環境を検討します。Fleekdriveには、品質記録の検索、アクセス権限の管理、更新履歴の確認などに活用できる機能があります。

必要な品質記録を探しやすくする

文書管理機能では、ファイル名に加えて、ファイル内の文字列を対象としたAND・OR・NOT検索が可能です。ファイルにメタタグを付けてカテゴライズすることもでき、記録の種類に応じた検索・整理に活用できます。

部署ごとの閲覧・編集範囲を管理する

ユーザ・アクセス管理機能では、フォルダやファイル単位でアクセス権限を設定できます。また、ユーザごとに設定された権限を一覧で確認できるため、現場担当者と品質保証部門の閲覧・編集範囲を把握する際に役立ちます。

グループごとに管理者を設定すれば、指定したグループ内のユーザ管理やグループ管理を分担できます。フォルダやファイルのアクセス権限は、別途設定します。

更新履歴を確認し、関係者と共有する

同名ファイルをアップロードすると、元のファイルが旧バージョンとして保存され、更新者や更新日時、過去のファイルを確認できます。PDF比較機能を使えば、新旧バージョンや異なるPDFファイルのテキストを比較し、変更箇所を画面上で確認することも可能です。

また、ファイルが新規登録・更新された際には自動で更新通知が送られるため、関係者への情報共有にも活用できます。ただし、検査実施者や承認者、記録の訂正理由など、品質管理上必要な情報は、別途定めた手順に従って管理する必要があります。

よくある質問

Q. 紙の検査記録もそのまま登録できますか?

紙の検査記録は、スキャンしてPDF化したうえでFleekdriveにアップロードできます。記録の内容まで全文検索したい場合は、OCR(文字認識)処理によって文字情報を付与したPDFを用意します。 

Q. 部署ごとに閲覧できる記録の範囲を分けられますか?

フォルダやファイル単位でアクセス権限を設定できるため、部署ごとに閲覧・編集できる範囲を分けることができます。

Q. 誰がいつ記録を変更したか確認できますか?

はい。ファイルの更新者・更新日時や過去のバージョンを確認できます。ただし、検査記録の訂正理由や承認情報は、別途定めた手順に従って管理する必要があります。

Q. 記録の件数が多くても保存できますか?

Fleekdriveでは、保存できるファイル数に制限はなく、1ファイルあたりのサイズ上限は40GBです。ただし、利用可能なストレージの総容量は契約プランやユーザ数などによって異なります。契約容量を超過した場合は、超過料金が発生するため、保存する記録の総容量も確認しておく必要があります。

まとめ

製造業の品質記録管理では、記録を一か所に集めるだけでなく、登録項目や保存先、閲覧・編集権限、改訂時の手順をそろえることが大切です。現場と品質保証部門が同じルールで管理できれば、必要な検査記録を探しやすくなり、監査や是正対応にも備えられます。

Fleekdriveは、記録の検索、部署ごとのアクセス権限の設定、過去のバージョンの確認などに活用できます。導入を検討する際は、実際の品質記録を想定して、必要な記録を探せるか、担当者ごとに適切な権限を設定できるかを確かめてみてください。

詳しい機能は文書管理機能 とユーザ・アクセス管理機能 をご覧ください。運用に合うかを確認したい方は、30日間無料お試し をご利用いただけます。