複数のタスクをこなすことが多いビジネスの世界において、タスク管理能力は重要です。「タスク管理ができない」というだけで仕事ができない人と周囲に思われてしまうこともあります。もっともタスク管理の上手・下手には生まれつきの性格も関係していますので、不得意と感じる人がいる事自体は不思議な事ではありません。しかし、タスク管理にはテクニックで乗り切れる部分もたくさんあります。作業の手順が分かれば苦手な人でも上手にタスク管理ができるようになるはずです。

タスク管理に対する苦手意識を調査

タスク管理の得意・不得意には個人差があります。意識しなくてもできてしまう人から、まったくできない人までその程度はさまざまです。そこで、全国の社会人100人を対象にアンケート調査を実施、タスク管理が得意かどうかについて訊いてみました。

得意な人も多いが不得意な人も多い

  • 得意な方ですし好きなので楽しいです。(43歳/女性/個人事業主・フリーランス)
  • 苦手です。アプリなどを利用して管理していますが、なかなか上手くいきません。(33歳/女性/正社員)
  • 苦手です。臨機応変さに欠けるので、コツがあるなら教えてほしいです。(30歳/女性/パート・アルバイト)
  • タスク管理は操作がめんどくさいので苦手です。(32歳/男性/個人事業主・フリーランス)
  • とても苦手で、長年苦労しています。パソコンでのタスクの作業のリズムになかなか慣れません。(48歳/男性/経営者)
  • 情報を整理するのが不得意なので苦手です。(26歳/男性/パート・アルバイト)

質問

タスク管理は得意ですか?

回答結果

フリー回答

アンケート概要

調査地域:全国
調査対象:【職業】パート・アルバイト 個人事業主 公務員 正社員 派遣社員 経営者
調査期間:2017年06月01日~2017年06月08日
有効回答数:100サンプル

アンケートを取ったところ、「タスク管理は得意」と答えた人が複数いる一方で「不得意」「苦手」と感じる人もかなり多いようです。しかし、生まれつきタスク管理が苦手という人でも、作業の基本的な流れを押さえればタスク管理能力を向上させることはできます。以下、そのコツを具体的に見ていくことにしましょう。

タスク管理が苦手=仕事ができない?

仕事ができない人には共通の特徴があるといわれています。メモを取らない、やるべき作業を後回しにする、上司にまめに報告しないなどです。メモを取る癖をつけておかないと、重要な情報を後で忘れてしまったりスケジュールに漏れが出たりなど、仕事上のミスが出やすくなります。また、優先順位の高い仕事を後回しにしていると、納期ぎりぎりになってから仕事に追われることになります。ここでさらに上司へのこまめな報告を怠ってしまうと、上司があなたの仕事の進捗状況を把握できなくなってしまいます。アドバイスをもらえなくなるだけでなく、納期に間に合わないなど大きなミスにつながる可能性が出てきます。

そして「タスク管理が苦手」というのも仕事ができない人にありがちな特徴です。タスク管理が苦手な人は仕事の優先順位がつけられないため、重要度の高い仕事を後回しにしてしまいがちです。そのため、常に期限に追われながら重要な仕事をこなすことになります。当然仕事が終わるのも期限ギリギリになりますし、急いでいるだけに準備不足やミスが頻発する可能性も高くなります。

「真面目に仕事をしているのにうまくいかない」という人は、仕事のやり方に問題があるケースが多いのです。

タスク管理の流れとは?

仕事の優先順位を理解する、もしくは仕事の進捗状況やスケジュールを把握するのに欠かせない作業がタスク管理です。タスク管理ができるようになると効率よく業務をこなすことができるようになります。時間に余裕を持って作業できるぶん仕事のクオリティ向上も期待できます。

上手にタスク管理を行なうためにはは、タスクの洗い出し、期限の設定、タスクの具体的な実行計画を立てるという3つのステップを踏むのが一般的です。まず、自分がやるべきタスクをすべて洗い出します。紙などに書いてタスクを視覚化し、それぞれのタスクの中身や仕事の全体量を把握しましょう。リストができたら、タスクが実行可能な状態まで具体的になっているかどうか、リストに重複や漏れがないかどうかチェックしましょう。

次にそれぞれのタスクに期限を設定します。人間は時間があればあるほどギリギリに仕事を終わらせようとする傾向があります。そこで本来の期限よりも早い自分だけの締め切りを設定し、それに向かって作業を進めていきます。

最後にタスクの具体的な実行計画を立てます。それぞれのタスクの期限を考えながら、自分のスケジュールにいつどのタスクを実行するのかを書き込んでいきましょう。

できる人は実践している!タスク管理のポイント

タスク管理において重要なポイントはタスクをなるべく細かく洗い出すことと、タスク同士で優先順位をつけることです。
タスク管理の目的の1つは、自分が今抱えているタスクの量や内容を把握することです。タスクを洗い出すときは、とりあえず思いつく限り細かく洗い出してみましょう。重要度が高いタスクさえきちんとこなせていれば、必ずしもすべてを実行する必要はありません。タスク管理がうまく回るようになれば、1日のうちにこなせるタスクの量も次第に増えてきます。

タスク同士の優先順位づけについては、それぞれのタスクの持つ緊急度・重要度のほか、タスクの性質によっても優先順位を判断することができます。仕事上のタスクは5つに分類できます。具体的には、定期的に発生するタスク、不定期に必ず発生するタスク、上司から頼まれる雑用、社内の雑用、自分の仕事にまつわるタスクの5つです。定期的に発生するタスク・必ず発生するタスクについては、自動化や外注でタスクそのものを減らせる場合があります。もっとも上司・社内の雑用や自分の仕事関連のタスクは内容も発生のタイミングもイレギュラーです。自動化するのは難しいでしょう。そこでおすすめなのは、雑用系のタスクをあえて先に終わらせてしまうことです。そうすれば残った時間をすべて自分の仕事に集中させられます。

苦手なタスク管理… もっと効率よく進めるために!

タスク管理を上手に行うためには作業のポイントがいくつかあります。これらのポイントを特に意識しなくてもクリアできる人が、生まれつきタスク管理が得意な人といわれることになるのです。性格的に細かい作業が苦手という人でも、作業のコツを押さえられればタスク管理能力は向上します。手帳やメモ帳、アプリといったツールの力も積極的に借りながら、タスク管理業務に少しずつ慣れていきましょう。