仕事上のミスは避けられるものなら避けたいものですが、誰もがする可能性のあるものです。そのため、ミスをしたことよりも、したあとにどのような対応をしたかによって評価が大きく違ってきます。仕事でミスをしたとき、最初にしなければならないのはミスの報告です。どんなタイミングでどのような報告の仕方をするかが重要なポイントになります。ここではミスを報告する適切なタイミングと正しいミスの報告の仕方について解説します。

仕事でミスをしてしまった… 報告のタイミングはいつ?

最初に、仕事上のミスはどのタイミングで報告するのが適切だと思っている人が多いのかアンケートを取ってみました。

【回答結果】
ミス発覚後すぐに報告 : 76
ミス発覚後に原因を把握してから報告 : 24

【アンケート概要】
調査地域:全国
調査対象:【年齢】20 – 29 30 – 39 40 – 49 50 – 59 60 【職業】パート・アルバイト 個人事業主 公務員 正社員 派遣社員 経営者
調査期間:2017年08月29日~2017年09月05日
有効回答数:100サンプル

ミスは早期報告が基本

今回のアンケートでは、ミス発覚後すぐに報告すると回答した人が全体の4分の3を占めました。

  • とりあえずミスが分かった時点で報告をした方が、これ以上の被害拡大を防げる。(40代/個人事業主・フリーランス/男性)
  • すぐに報告し、ストップや訂正を行わないと、より多くの人に迷惑がかかったり、より大きなミスにつながったりしかねないので。
    原因追及、分析はその後で。(50代/パート・アルバイト/女性)
  • 問題が起きたら、それに対応をするためにも即時上司などに報告するのが1番です。たとえば、クレーム対応のような場合は相手がいること。スピード対応が求められることも多いです。状況によっては、原因究明と同時に上司に報告する場合もありますが、可能であれば問題の報告が先だと思います。(20代/正社員/女性)

ミス発覚後すぐに報告と回答した人のコメントを見ると、ミスが残った状態で作業を進めないことが被害を拡大させないために必要だと考えていることがわかります。特に、取引先や顧客のような相手がある場合には、スピード対応が欠かせないようです。一方、ミス発覚後に原因を把握してから報告と回答した人のコメントは以下の通りです。

  • ミスの内容による。緊急性が高いならすぐその場で報告。そうでないなら原因調査をしつつ報告。(30代/正社員/男性)
  • あまり時間を置くのは良くないですが、報告すると「なぜそんなミスが起きたのか」という質問が必ず来るから。(30代/個人事業主・フリーランス/女性)
  • ミスの原因によっては修正が可能であるため。報告は早い方がもちろんいいのだが、原因が不明あるいは修正不可だと早期に判明した場合でなければ、解決方法も見つからないと思うため。(30代/派遣社員/女性)

原因を把握してから報告すると回答した人のコメントを見ると、「ミスの内容によるものの~」「報告は早い方がよいが~」などと前置きをしている人が目立ちました。緊急性が高いときは報告が優先だが、原因究明までする時間的な余裕があるなら原因を把握してから報告するのが理想という意味でこちらの選択肢を選んでいることがうかがえます。では、このアンケートの結果を踏まえつつ、ミスを報告するベストタイミングについて考えていきます。

ミスの報告はタイミングが早いほど良い理由とは?

仕事上のミスはできるだけ早いタイミングで行うのが基本です。なぜなら、ミスは放置することによって被害が拡大することがあるからです。ただ、仕事上のミスを上司に報告するならできるだけすぐにすべきだというのには、ほかにも理由があります。

・ミス自体よりも報告を怠るほうが問題視される
職場ではミスが起こることはそれほど珍しいことではありません。ミスは誰もがする可能性のあるものですから、ミスをしたことよりも、そのあとにどのような対応をしたかに注目が集まります。そして、どのタイミングでどのような対応をしたかが人を判断する材料になることも少なくありません。

・個人で解決するのは簡単ではない
仕事上のミスは、取引先の企業や顧客など相手がいるケースが少なくありません。そのため、ミスをした本人だけの力では解決できないケースもあります。

・ミスの発覚と報告が早いほど修正しやすい
ミスの原因によっては修正が可能な場合もありますが、作業が進めば進むほど修正が難しくなります。

早さにプラス!正確に報告する!

ミスの報告はただ単に早いだけでは意味がありません。どのようなことが起こっているのかを正しく相手に伝える必要があります。上司に正しくミスの内容が伝わっていなければ、適切な指示やアドバイスをもらうことが難しくなりますから、急を要する場合であっても、相手が理解しやすい報告を行うことが大事です。報告のポイントとしては次の2つを押さえておくようにしましょう。

・まとまりのある話し方をする
話がまとまっていないと聞いた人が内容を理解できません。ミスの報告をするのであれば、どんなミスが起こったのかを先に述べ、どのような状況になっているのか、どのような原因が考えられるのかは後に述べるようにします。

・5W1Hをはっきり伝える
ミスが起こった経緯について報告する場合は、「いつ・どこで・誰が・何を・どのように」という点を分かりやすく伝えることが大事です。

言い訳はNG!誠実に報告しよう!

仕事のミスを報告する際に、言い訳や自分の思いを中心に伝える人がいますが、それはマイナスにしか働きません。報告すべき内容は、どのようなミスをしたか、どのような状況になっているかといった客観的な事実です。言い訳をいくらしたところで何の解決にもならないうえに、上司の怒りを招く原因にもなります。「私のミスです。でも、○○さんもその場にいました」「悪かったと思っています。しかし、言われたとおりにやりました」など「でも」や「しかし」が多い報告は、言い訳や責任転嫁にしか聞こえません。

「○○しようとは思っていましたが、ミスしてしまいました」という言い方もNGです。ミスが起こってしまった以上、それに至る過程で正しい方法をとろうとしていたかどうかは関係ありません。たとえ自分だけのせいではないと思っていても、ミスを真摯に受け止め対処しようとする姿を見せるほうが、上司からの理解や協力は得られやすいと言えます。

報告書を提出して総仕上げ!

仕事でミスをした場合は、報告書の提出を求められるのが普通です。なぜそのようなミスが起こったかという顛末を報告する書類で、顛末書という言い方をすることもあります。報告書で書かなければならないことは次のような内容です。

  • いつ、どこで、何が起こったかを時系列で記載
  • どの程度の被害や損害があったか
  • どのような対応をし、現在どうなっているか
  • 今後の改善策や再発防止策についてはどう考えているか

以上のような内容が求められるため、報告書はミスに対する対処が終わった時点で作成し、提出します。報告書は、あくまでも客観的で公平な視点で書くことが求められます。今後職場で同じミスが起こらないように、情報を共有するために提出が求められています。報告書で言い訳や責任転嫁をしても意味がありませんし、会社からの評価を下げるだけですから、感情的な表現は避けましょう。

ミスの正しい報告はみんなにプラス!

自分がしたミスについて正しく伝えられるのは自分だけですが、ミスを正しく報告することは自分のためだけではありません。きちんとわかりやすく伝えれば、会社のためにもなります。ミスは誰がしてもおかしくないものです。どんなときにミスが起こったのか、どんな原因で起こったのか、どんな対処が有効だったかという情報を正しくわかりやすく報告すれば、会社と情報を共有することができ、再発防止のための仕組みづくりに役立ちます。

そのために、タスクの状態やタスクに関わる情報の管理をしっかり行う事が大切です。そうすれば、ミスがいつ起きてしまったのか、何故ミスが起きてしまったのかを正しく報告が出来るだけでなく、事前にミスを防ぐことが出来るかもしれません。たとえば作成中の資料などをローカルではなく、オンラインストレージの中で管理をし、同僚や上司に共有しておくことで、ミスが大きくなる前に対処できる環境に整えておくなど、業務環境を見直してみるのもおすすめです。