仕事において多数のタスクを抱えることは珍しい事態ではありません。それぞれのタスクを漏れなく順序よくさばくために、タスクリストの作成や優先順位決めといったタスク管理を無意識のうちに行っている人も少なくないのではないでしょうか。普段何気なく行うことも多いタスク管理ですが、業務の効率化という意味では非常に大きな意味を持つ作業です。なんとなくタスク管理をしている人は、一度その目的や意味を再確認してみるとよいかもしれません。
タスク管理の方法について教えてください
働く大人の必須スキルともいえるタスク管理。実際社会人の皆さんはどのような方法でタスク管理をしているのでしょうか。全国の社会人100人を対象にアンケート調査を実施しました。
人によってさまざまなやり方があるようです
- スマートフォンなどを利用して行っています(43歳/男性/正社員)
- 付せんを使っている。1件ずつ別の付せんに書き、処理する順に並べておく。終わったら捨て、増えたら優先順位を入れ替えながら管理している。(43歳/女性/正社員)
- 手帳にメモしています。(33歳/男性/アルバイト)
- to doリストを作って順番にやっていく(29歳/女性/正社員)
- カレンダーを使用することが多いです。仕事の締め切りや連絡しなければならない日程、イベント日など、記入することやパソコン上で入力することで、管理しています。(46歳/女性/個人事業主・フリーランス)
- グーグルのツールを活用しています。(59歳/男性/公務員)
質問
タスク管理をどのような方法で行っていますか
回答結果
フリー回答
アンケート概要
調査地域:全国
調査対象:【職業】パート・アルバイト 個人事業主 公務員 正社員 派遣社員 経営者
調査期間:2017年06月01日~2017年06月08日
有効回答数:100サンプル
調査の結果、多くの人が手帳やアプリの利用などさまざまなやり方でタスク管理を行っていることがわかります。しかし作業の際、タスクを管理する目的や意味を意識している人はどれくらいいるのでしょうか。
目的意識があるタスク管理と漫然と行なうタスク管理とでは得られる効果に大きな差が生まれます。タスク管理ができているという人も、一度作業の目的や意味を振り返ってみるのは決して悪いことではありません。
タスク管理の意味とは
そもそもタスク管理にはどのような意味があるのでしょうか。それにはタスクとタスク管理、それぞれの意味について考えてみる必要があります。
まずタスクは具体的なアクションを伴う作業・課題のことをいいます。実際に行動に移すことが決定している他者から課された仕事・自ら自分に課した仕事がタスクです。実行のタイミングや期限なども決まっています。
タスクと同じような意味で使われる用語としては「Todo」があります。「Todo」は「するべきこと」という意味で、具体的な行動内容を指します。個々のタスクを正確に、スムーズに実行するために行なう作業がタスク管理です。人間は常に複数のタスクに追われています。人間の記憶力には限界があるため、その日やらなければいけないすべてのタスクをうまく整理するのは難しいです。そのため優先順位がわからない、やるべき作業を忘れるといったトラブルが発生することになります。
そこでメモ帳やタスク管理アプリなどのツールの力を借りて、すべてのタスクを視覚化する、作業の優先順位をつけて実行しやすくするといった作業が必要になります。こうしたタスクの量や手順を管理する作業がタスク管理です。
タスク管理を行う必要性
ビジネスパーソンにとってタスク管理は重要な作業です。業務中は多くのタスクが発生しますが、質の高い仕事をするためにはすべてのタスクを漏れなくさばいていかなければなりません。このとき順番でタスクをこなしておくのか決めていなかったり、作業中に他のタスクが割り込んできたりすると作業効率が落ちてしまいます。また、重大な仕事を忘れてしまうということもありえます。
あらかじめ「どのタスクをどのようにさばくか」という計画を練っておけば、日々の業務に迷いなく取り組めるようになります。忘れているタスクがないかと悩む必要もありませんし、割り込みでタスクが発生したときもタスク同士の優先順位を組み直すことで冷静に対処できます。先が見えない状態で仕事をせずに済むため、仕事のストレスが軽減するはずです。さらにタスク管理の一環としてタスクをリスト化し、優先順位を決めることで1日の作業予定を思い出す時間、どのタスクから手を付けるべきか迷う時間が減ります。時間のロスを減らすことで業務を効率よく進められるようになります。段取りよく仕事を進めたいビジネスパーソンにとって、タスク管理は欠かせないものと言えるでしょう。
タスクとプロジェクトの違い
タスクが複数集まってできているのが「プロジェクト」です。プロジェクトはある目標を達成するための大規模な計画で、期限やゴール地点が決まっている、大きな目標に向かって集団で実行するなどの特徴があります。プロジェクトは漠然とした計画なので、そのままの状態では実行不可能です。実際プロジェクトを遂行し、目的を達成するためには、いくつかの作業工程が必要になります。この作業工程を個々の作業にまで分解したものがタスクです。つまりタスクはプロジェクトを遂行するために求められる具体的な作業や行動計画ということになります。
たとえば「ダイエット」をプロジェクトとするケースを具体例として考えてみましょう。いくらダイエットをしたくても、実際の行動が伴わなければ目標達成は厳しいですよね。そこでダイエットという「プロジェクト」を実現するのに必要な計画・行動を「タスク」として具体化していきます。プロジェクトがダイエットであれば、現在の体重や体脂肪率を計る、1日に必要なカロリー計算をする、運動の計画を立てる、スポーツジムを探すといったことがタスクとして挙げられることになります。この段階までプロジェクトの内容を掘り下げて考えておけば、すぐにプロジェクトの実行に取り掛かれますよね。
タスクの意味を正しく理解!スケジューリングに役立てよう
何気なく行ってしまいがちなものですが、タスク管理は仕事を段取りよく進めるためにはきわめて重大な作業です。タスクやタスク管理の持つ意味を理解し、作業の目的を明確に意識できるようになりましょう。目的意識があるのとないのとでは同じ作業でも効率がまったく変わってきます。「なぜタスク管理をするのか」を常に意識しながら実際の作業に当たることで、より正確にタスクを管理できるようになってくるはずです。