日々の業務では、契約書や顧客情報、動画や高解像度の画像データ、プレゼン資料や共同編集するドキュメントなど、大容量のデータが次々と発生します。そのまま放置しておくとストレージはファイルで埋めつくされ、容量不足になります。ストレージの容量不足はバックアップに影響が出るほか、業務効率の低下やコスト増加など、さまざまな問題につながります。本記事では、ストレージの容量不足の解消の方法、不要ファイルの整理について解説します。
ストレージ容量の不足から発生する問題
ファイルやデータを保存するストレージは、物理的な装置に依存するため容量が限られています。社内のオンプレミス環境では、容量不足に直面すると、ストレージの拡張や新たなハードウェアの追加が必要になります。ストレージの容量が不足すると、以下のような問題が生じます。
- ファイルの保存やバックアップができなくなる
- ストレージのパフォーマンスが低下する
- ファイルを誤って削除するミスが生じやすくなる
- 設定によっては、自動的にファイルが削除されてしまう
不要ファイルの増加によってファイルの保存やバックアップができなくなります。また、ストレージの動作が低下し、取引先の打ち合わせ中に大至急ファイルを確認したいのに、ファイルがダウンロードできないなどの事態が発生します。最悪の場合には、大切なファイルを失くすような深刻な問題を引き起こします。
不要なファイル、容量を圧迫する原因とは?
ストレージの容量を圧迫する不要なファイルには、次のようなファイルがあります。
- 古いファイル
- 重複するファイル
- 最新バージョン以外の版数のファイル
- キャッシュや一時ファイルに残されたデータ
- 重要度の低いバックアップ
クラウドストレージの容量を圧迫する原因としては、不要なファイルのほかに以下のようなケースが考えられます。
- 不要なファイルの同期を解除していない
- 大容量のファイルの共有を解除していない
- バックアップの保存期間を頻繁または長期間に設定している
- ゴミ箱に移動したまま完全に削除していない
ストレージの設定にもよりますが、ファイルをゴミ箱に移動しても削除されずに、しばらくの間は保存されています。大容量ファイルをゴミ箱に移動したまま放置していると、ストレージの容量を圧迫します。不要なものを削除することが大切です。
ストレージの容量を増やす前にやっておくこと
企業で利用しているクラウドストレージの容量を減らすために、まずやっておきたいのは次のことです。
- 一時ファイル、キャッシュのクリア
- ストレージ容量を減らすことに関する情報共有
- 不要の判断基準の整理、ルールの制定
最初に一時ファイルやキャッシュのクリアを試します。ファイルの削除にあたっては「何が不要なのか?」判断基準を設けることが大切です。組織で共有している場合は、担当や役職、部門によってファイルの重要性に関する見解の違いがあることから、意見交換の場を設けておきます。
ストレージ容量を増やして、快適な環境にする方法
ここからは具体的に、ストレージの容量を増やす方法について解説します。
不要なファイルを削除する
削除する前に、ファイルをリストアップして検討します。ファイルは、日付、サイズ、利用頻度、アプリなどの項目一覧によって判断できるようにします。内容を検討するときに、重要度に合わせてA、B、Cなどのランクで重み付けをしておくのもひとつの方法です。契約書の保存期間は、法律的な側面から注意が必要です。たとえば雇用契約書は5年、一般的な契約書はケースにしたがって7年、10年と保存期間が定められています。複数の担当者がチェックした上で、不要と判断されたファイルを削除します。
重複したファイルを削除する
ファイルを重複して保存する原因には、ユーザの誤操作のほか、使い勝手を優先して共有フォルダの情報をわざわざ自分のPCに保存して同期させるような場合があります。また、同期、バージョン管理、バックアップなどの設定や不具合によっても発生します。重複検知ツールを使えば、重複ファイルを簡単に探し出せます。重複ファイルを分析および検知して、自動的に削除することも可能です。重複ファイルの削除によって、バックアップの迅速化やネットワークトラフィックの軽減にも役立ちます。
最新バージョンだけを残して他を削除する
クラウドストレージでは、版数(バージョン)を管理できます。したがって、版数ごとに保存しなくても、自動的に版数管理が可能です。手動で保存した古いバージョンのファイルを削除することにより、ストレージの空き容量を確保します。取引先に提出する資料は、誤りを修正して新しい情報にアップデートした最新バージョンの完成版を常に使いましょう。版数を遡って確認する必要がある文書は別ですが、情報の鮮度や信頼性を保つためにバージョン管理が重要です。
頻繁に使わないファイルを圧縮する、アーカイブする
頻繁に使わないにも関わらず将来的には利用する可能性があり、削除するかどうか迷うファイルがあるかもしれません。こうしたファイルは圧縮して保存、アーカイブすることにより、空き容量を確保できます。クラウドストレージのアーカイブは、フォルダやファイルをまとめて圧縮する機能です。期間を決めて自動的にアーカイブすれば、ファイル容量の削減が可能になります。データには、作成から廃棄までのライフサイクルがあります。データライフサイクル管理の観点から、不要なファイルを管理することがポイントです。
不要ファイルの同期や共有を停止する
クラウドストレージで自動同期を設定すると、利用しているPCのデスクトップやフォルダ内のファイルを同期します。自動的にバックアップされるため便利な機能ですが、同期する必要のないファイルを設定していると、ストレージ容量を圧迫します。同期や共有が必要なフォルダやファイルを細かく設定し、同期する必要のないファイルの同期を停止すると、容量不足を防ぐことができます。
バックアップを整理する
バックアップはBCP(事業継続計画)対策のためにも重要です。しかし、すべてのファイルを常時フルバックアップしていると、容量増加に加えて時間もかかります。バックアップの頻度と範囲の最適化が必要です。クラウドストレージは、バックアップを効率化するために重複排除の技術を使っています。ファイル単位、ブロック単位で重複を検知し、変更や追加があった差分だけバックアップすることで、バックアップの負荷を軽減します。
効率的な活用のためには、容量追加も課題解決の手段
データドリブン経営が求められ、企業のデータは日々増加傾向にあります。共有できる資料はひとつのフォルダにまとめてアクセスを制御して利用すれば、重複ファイルの増加を防ぐことが可能です。しかし「削除したファイルが後から必要になった、バックアップもしていなかった」というトラブルも起こりかねません。また、ファイル整理には、時間が必要です。したがって、クラウドストレージの容量を追加して拡張することが、最も大きな課題解決になる場合もあります。
まとめ
データ活用の重要性が高まっている現在、快適なクラウド環境の整備は、業務効率化はもちろん営業力強化にもなります。クラウドストレージ上のファイルを整理し、ファイル保存のルールを決めて共有方法を工夫するなど、効率的な活用をおすすめします。クラウドストレージの容量不足やデータ管理にお悩みであれば、大容量かつ多様な機能を備えたFleekdriveの導入をご検討ください。