大企業において、クラウドストレージサービスを導入するためには多大なコストがかかるとお悩みのご担当者もいらっしゃるのではないでしょうか。しかしその課題は、クラウドコスト最適化によって改善できます。今回はクラウドコスト最適化により、どのようにクラウドストレージサービスのコストを削減するのか、また大企業向けのクラウドストレージの選定ポイントについてわかりやすく解説します。

クラウドコスト最適化とは

クラウドコスト最適化とは、クラウド上で使用する機能に必要な容量を決定し、リソースの無駄を削減することでコストを最小限に抑えるプロセスです。現在、さまざまなクラウドサービスが提供されています。クラウドコスト最適化は、利用しているクラウド機能の詳細を確認することで、余計なライセンスやアプリケーション、リソースの修正や削除を実行します。それにより、パフォーマンスを最大化しつつコストを最適化できるのです。クラウドストレージサービスの導入時には、初期の設計段階からリソース管理やコストの最適化を十分に検討する必要があります。

なぜクラウドコスト最適化が重要なのか

ここでは、クラウドコスト最適化が重要であるポイントについて解説します。

管理コストや人件費の削減

クラウドコスト最適化によって、サーバーを管理するコストや人件費を抑えられるようになります。クラウドリソースの無駄を削減することで、過剰なプロビジョニングをなくすことができます。プロビジョニングとは、「規定」「準備」という意味を持った単語です。ITにおいては「設備やサービスを提供できるよう事前に準備を行うこと」を意味します。

可視性向上のため

クラウドコスト最適化により、利用しているクラウドストレージサービスにどれだけのコストがかかっているかを可視化できます。クラウドサービスの使用状況を詳細に分析することで、ランニングコストを明確にできるようになります。それにより、クラウド利用に最低限必要なリソースを把握できるようになるなど、その後のさらなるクラウドコストの最適化につながるのです。

生産性とイノベーションの促進

クラウド利用の効率性が高まると、サーバーを管理するチームの生産性が向上します。クラウドリソースを最適化することで無駄を排除できるため、トラブルシューティングなどのクラウドリソースの管理に費やす時間を削減できるようになります。空いた時間で、より効率的なクラウドの利用方法を模索することも可能です。優先順位をつけて業務を遂行し、より良い改善提案ができる能力をそなえたサーバー管理チームになるでしょう。

大企業向けクラウドストレージ選定5つのポイント

大企業向けクラウドストレージの選定ポイントは以下の5つです。

  1. データ容量を確認する
  2. 自社のセキュリティポリシーに合ったサービスの選定
  3. アップロード速度や権限管理などの操作性について
  4. 対応するデバイスやアプリケーションの確認
  5. データの保存エリアを確認

それぞれ解説します。

1.データ容量を確認する

クラウドストレージ導入の際、まず現状で使用しているデータ容量を確認します。大企業で使用しているデータ容量を確認するためには多くの時間と人件費を必要とします。自社のサーバー管理チームだけでは対応が難しい場合は、ベンダーへ依頼することもときには必要でしょう。また、画像や動画を多く保存しているケースでは余裕をもって容量を想定し、クラウドストレージサービスのデータ容量を見積もりましょう。

2.自社のセキュリティポリシーに合ったサービスの選定

クラウドストレージサービスを選定する際、自社のセキュリティポリシーの内容を確認します。業務を実施する上でITの活用が常識となっている昨今では、多くの企業では「セキュリティポリシー」を策定し遵守しています。特に大企業では、情報漏洩の危険性を考慮し個人向けクラウドストレージサービスの利用を禁止しているところが多いです。また、「個人情報などのデータは社内に保持しなければならない」という顧客との契約があるケースでは、オンプレミスとの併用も考慮する必要があります。自社のセキュリティポリシーに則ったクラウドストレージサービスを選ぶことが不可欠です。

3.アップロード速度や権限管理などの操作性について

サービスの選定には、アップロード速度や権限管理などの操作性の確認も重要です。データのアップロード速度はサービスによってバラつきがあります。アップロードにどれほどの時間がかかるのかも確認する必要があります。また、クラウドストレージへのアクセス権を管理しやすいサービスを選定しましょう。アクセス権の付与方法はサービスによって異なり、URLを共有するだけでアクセスが可能となる製品もあります。しかしそれでは情報漏えいのリスクが高まるため、社員個人ごとのIDやパスワードで管理できるなど、セキュリティリスクを低減できるサービスを選定しましょう。

4.対応するデバイスやアプリケーションの確認

自社で使用するデバイスやアプリケーションに対応しているかを確認しましょう。クラウドを利用するということは、社員が外出先からクラウドストレージへアクセスするような運用が想定されます。たとえば、客先から営業担当者がプレゼン用の資料を使用する場合や、社内の回覧資料を出張先から確認するなどのシーンが予測されます。クラウドストレージを活用するメリットを最大限活かすためには、こういったケースにも対応できる必要があるのです。

5.データの保存エリアを確認

企業のセキュリティポリシーには、データを社外に保存する際にその地域に関して厳しく規定されていることがあります。たとえば、「社外サーバーへの保存は可能だが、機密データの保存は国内に限定」といったポリシーもあります。その場合、日本国内のデータセンターを使用しているサービスを選定しなければなりません。

まとめ

クラウドコスト最適化とは、クラウド上で使用するリソースの無駄をなくし、パフォーマンスを最大化しつつコストを最小限に抑えることです。クラウドコスト最適化により、社内の管理コストや人件費の削減、可視性・生産性の向上につながります。またクラウドストレージの選定のポイントは、使用しているデータ容量を分析し、セキュリティポリシーにマッチしたサービスの選定が重要です。
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