インターネット経由で直接データにアクセスできるクラウドストレージ。ハードディスクやUSBなどを使うよりも楽にデータの保存や受け渡しができます。プライベート目的のほか、ビジネス目的で利用するにも便利なサービスです。しかし職場に導入したくてもセキュリティ面が不安で…という人もいるのでは?そこで本記事では、そんなあなたの不安を取り除くために、クラウドストレージのセキュリティ機能について紹介します。

クラウドストレージを利用するのに不安なことは?

クラウドストレージを利用する際、ユーザーはどのようなことを一番不安に思っているのでしょうか。全国の男女300名にアンケート調査を実施しました。

【質問】
クラウドストレージを利用するにあたり、不安なことはありますか?

【回答結果】
情報漏洩:172名
データ消失:60名
サーバーダウンでデータにアクセスできない:35名
その他:33名

調査地域:全国
調査対象:年齢不問・男女
調査期間:2017年02月24日~2017年03月01日
有効回答数:300サンプル

不安なこと第1位は、情報漏洩!セキュリティ対策の必要性を痛感?

1位となったのは、情報漏洩を不安視する声でした。個人情報流出などのニュースが時折報じられることもあって、他人事とは思えないと感じる人が多いようです。

  • 起きた場合に、会社としてもダメージが大きいから。(20代・男性)
  • 公開されるべきではない書類などは不安がある。(40代・男性)

2位となったのが、「大切なデータを消失したら困る」という意見です。

  • 残しておきたい大事なデータをストレージに移しているため。(20代・女性)

3位は「サーバーの問題でデータにアクセスできない」という意見。なかには、こんな悲惨な体験談を寄せてくれた人もいました。
・大事な資料をアップデートした後に、サーバーがダウンしてミーティング開始までに資料を開示することができなかった。(30代・女性)

調査の結果、情報漏洩をはじめユーザーがさまざまな不安を抱えているということが分かりました。大切なデータをどう守るか、ということがサービスを利用する上では重大な課題になりそうですね。

クラウドストレージのセキュリティ、安全性は?

ビジネスの現場ではセキュリティに関するリスク、特に情報漏洩によるダメージについては計り知れないものがあります。このような不安を取り除くために、クラウドストレージにはさまざまなセキュリティ機能がついています。特に法人向けクラウドストレージは、個人向けにくらべセキュリティ機能が強化され、さらにバックアップ体制も充実しているなど、ビジネスでも安心して使えるように設計されています。また、まともなサービス事業者でさえあれば、クラウドストレージの設備を常時管理しているのが普通です。サービス事業者は、データセンターに数万本以上のハードディスクを抱え、サービスの運営を行っています。もし、そのうちの1つにでも、故障やウイルスの感染などのトラブルがあったら大変な事態になってしまいますよね。そこで事業者側では、社内にサーバーのメンテナンスやセキュリティチェックに関わる専門チームを設け、24時間体制で監視しているのです。このようなことから、セキュリティ機能の強固な法人向けクラウドストレージを選び、かつ管理体制がしっかりしているサービス事業者を選べば、データの安全性についてのリスクは最小限に抑えられるといえそうです。

クラウドストレージのセキュリティ機能とは

それではクラウドストレージのセキュリティ機能にはどのようなものがあるのでしょうか。利用するサービスによって実際の機能に差はありますが、以下のような機能が備わっていることが多いです。

まず紹介したいのがアカウント管理に関わる機能です。これには、アカウントの乗っ取りを防止する2段階認証、なりすまし防止に役立つセッションタイムアウト設定などがあります。また、フォルダ管理機能と合わせることで、ファイルの閲覧・更新権限をユーザーによって制限することもできます。法人向けクラウドストレージでは、これらの管理機能がさらに細かく設定できるようになっています。また、利用履歴を追跡できるログ機能があるサービスも多いです。次に、データ通信の暗号化(SSL)です。これは、送受信時はもちろん、クラウドストレージ上にあるデータをすべて暗号化してくれるというもの。もしハッキングの被害に遭ったときでも、データを盗み見される心配がありません。データの機密性を守るためには欠かせない機能です。さらにマルウェア対策として、ウイルスチェックも重要です。サーバー内のウイルスチェックを定期的に行うことで、マルウェアの感染によるデータ漏洩などを防ぎます。

自分でもセキュリティ対策を!ユーザーが気をつけるべきこと

ただし、いくらクラウドストレージのセキュリティ機能が充実しているからといって、油断は禁物です。ユーザーのセキュリティ管理が甘いと、そこにつけこまれて不正利用が起こってしまう可能性があります。自分の大切なデータを守るためにも、自己防衛は欠かせないのです。まず気をつけてほしいのが、ユーザーIDやパスワードです。第三者に自分のアカウントを悪用されないように、ユーザーIDやパスワードの使いまわしはやめましょう。もちろん他人から推測されやすいパスワードを使うのもNGです。またサーバーのダウンなどが原因でデータにアクセスできなかったときに備えて、大切なデータのバックアップは必ず取っておくようにしましょう。さらに利用規約やヘルプをよく読むことも大切です。サービス事業者によって、クラウドストレージの使い方は違います。ファイルの公開設定などを適切に行わないと、不特定多数の人間にデータが公開されてしまうこともあります。また、サービス事業者によっては、預けたファイルの内容を事業者側で利用できるとしているケースもあります。サービスを利用するときは、利用規約やヘルプをよく読み、内容についての理解を深めましょう。

安全性の高いクラウドストレージサービスを使おう

クラウドストレージは便利なサービスですが、使い方を間違えると情報漏洩などの深刻なトラブルを招くおそれもあります。預けたデータを守るためにもアカウントやデータの管理には十分気をつけましょう。もちろんセキュリティ面で信頼のおけるサービス事業者のクラウドストレージを選ぶことも大切です。特にビジネスで利用する場合は、セキュリティに優れた有料の法人向けクラウドストレージを使うのが無難といえるでしょう。

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