『働き方改革関連法』が成立した2018年以降、『働き方改革』は企業において重要な責務です。しかし、取り組みが最も遅れているのは人事総務や経理・会計部門といったバックオフィスと言われており、日々の業務量が増えるのに対して人員は増えず、むしろ生産性向上を求められ残業時間も減らすように指示を受けるなんてことも。

ピー・シー・エー株式会社(以下、PCA)は、主に基幹業務のサブスクリプションサービスとして、常に最新のソフトウェアを提供し、中小・中堅企業のデジタルトランスフォーメーションをサポートします。バックオフィスの働き方改革や生産性向上を後押しし、働く人に寄り添い、社業の発展となるカスタマーサクセスに貢献する企業として、Fleekdriveをどのように活用し成果を得ているのか、渋谷伸治氏(以下、渋谷氏)と篠崎淳一氏(以下、篠崎氏)に話を伺いました。

目的

  • 全国の事業拠点(営業部門)における情報共有を効率化し、顧客との接客時間を確保する。

施策

  • 各事業拠点(営業部門)のファイルをFleekdriveに集約し、一元管理。
  • ファイル検索性向上に有効な情報(タグ、説明)を追加。
  • ダウンロード数など資料の活用度合いに応じた表彰制度『ナレッジマスター』の導入。

効果

  • 各拠点からはもちろん、テレワークでも快適ですばやく質の良い資料提供を実現。
  • 既存資料の流用や新規作成時の参考資料として活用することで、ニーズに合わせた資料作成効率アップ。
  • 資料作りの苦手な社員、及び若手社員の意識改革に成功、良質な資料が増加し、個人間のモチベーションが向上。

営業効率を阻害する問題点とは

PCAは、全国に4つの営業部(首都圏・東日本・中部・西日本)が存在し、さらに12事業所に分かれそれぞれお客様やパートナー様への営業活動をしています。

リモートと対面のハイブリッドなサポートをはじめ、店頭でのデモンストレーションやセミナー・展示会等様々なチャネルから寄り添い型の提案を行っていますが、日々の業務からある課題が出てきました。

各企業ニーズに合わせた提案やセミナー・展示会における資料づくり、これら全てを営業担当が自分たちで作成しているため、一人ひとりの営業負荷が重くなり接客時間が削られてしまうのです。

「元々はいくつかのビジネスチャットやメールを中心に情報共有を行っていたのですが、営業に関連する部署が膨大でいろいろな提案書とか販促用チラシや勉強会資料、他にも個々でつくる資料を共有せず個人で保持してしまうことが多かったんです。共有されても必要な資料を探す時間がかかってしまい、資料の利活用するシーンも少ないこともあって…。本来、接客に使うべき時間をそれに取られたり、残業時間が増えてしまう背景があったのでオンラインストレージの導入を検討しました」(渋谷氏)

営業社員が時間を取られる4つの主な要因

「パートナー様がうちの製品が良いものだと思ってもらうために、機能的な紹介ではなくその製品が売れる時代的背景や環境をどうやってプレゼンするか、そういった資料を各々が自分の感覚で手作りしていたんですね。けれども、結局全国需要は一緒なので同じテーマで同じような資料をボコボコ皆がつくっていたんです。1つのテーマに基づいた資料をつくるのに2時間くらいかかるし、テレワークが始まったばっかりだったから、若手営業さんとかって分からない事があったら、ちょっといいですかって環境が少なくなったんですよ。なので、まず家にいるので自分なりに探して、どうしても分からないのでどこにあるか分かります?ってチャットで聞くんです。そしたら、ごめん分からないな、と。ここから用意スタートで、みんなおせっかいなので資料を探してくれるんです。2時間×何人だ…と。で結局無いから作ろうねって(笑)」(篠崎氏)

最大のテーマ『営業負荷を無くす』

時短という1つのミッションに対しての効率化を図る上で、渋谷氏は数値的な根拠を挙げます。

「資料を探す時間にどれくらいかかるか出したことがあって、平均して1つ20分、それを掛ける事の20日だとすると6.7時間、約1日分をそういう時間に費やすことになる。営業=接客時間を増やすことじゃないですか。それの時間まで費やしてしまうとこれは本末転倒なので少しでも是正する、そこが最大のテーマですね」(渋谷氏)

そんな最大のテーマを解決するにあたり、Fleekdrive導入の決め手はズバリ何かを伺ったところ、営業負荷をなくすための機能やポイントが多く備わっていたと話してくれました。

「まずは検索性です。ファイルへのタグ付けもそうですけど、ファイルの中身まで検索できる。アップロードする時に説明書きも付けるよう運用していますがひと目で分かる、これが非常に大きいです。それから、アップロードしてから半年でアーカイブをかけるような自動設定ができるドキュメントの鮮度管理というのも大きな1つですね。ファイルが壊れてしまっても、1つ前のバージョンに戻して復帰させる機能もあるし、非常に安心して使えます。あとは、Office製品の共同作業、うちはExcelが多いので、編集がFleekdrive上で直接書き込めるというのもポイントの1つです」(渋谷氏)

Fleekdriveで時間・場所を選ばずファイルを一元管理

「今は在宅が多いじゃないですか。VPNに家から回線繋げてやるとなると、時間帯的にみんな情報が欲しい時間帯に集中しちゃうので回線が遅くなるし、いちいち立ち上げなければいけないとか面倒もあって。Fleekdriveであれば、そんなもの関係なくスッといける。これもすごく大きい」(篠崎氏)

その他にもシンプルなツリー構造の容易性やアカウントを持っていない外部とのドキュメント共有等、様々な機能をフル活用して営業のあるべき姿を実現しています。

Fleekdrive×社内制度による営業パフォーマンスの底上げ

PCAでは、Fleekdriveを活用した表彰制度『ナレッジマスター』と呼ばれる取り組みを行い、社員の売上評価とは別にプロセス評価を実施しています。資料のダウンロード数を集計し、より活用されている資料を作成した上位者や入社3年目迄の若手営業社員を表彰する制度で、この取り組みが意識改革に繋がり営業活動に大きな効果を生み出しました。

「すごく面白いことに、資料をつくるモチベーションって人にもよるんですが、ダウンロードされたい・検索にヒットさせたい、という思いから色々なキーワードを考えて名前を付けたりする人も出てきているんですよ」(篠崎氏)

「若手の人がとくにその意識が高まりました。かなり工夫して命名していて、見てもらいたいなって気持ちが伝わる資料なんですね。そうやって若手も活躍してくれるのは嬉しいです」(渋谷氏)

以前から多くの表彰制度の取り組みを行っていたPCAですが、働き方改革に合わせた表彰制度は公平性を保つことが難しく、基準値を設けるのはやはり苦労したようです。しかし、新たな試みに挑戦し続けた結果、『ナレッジマスター』制度からより質の高い資料が生み出され、加えて営業効率の向上を促す事に成功しました。

「運用を始めて、うちは本当にそれぞれが良い資料を作っていたんだな、というのがわかったんですけど、人に振るという文化がなかったんですよね。この人がどういう資料を作っていて、どういう提案しているのかがものすごくわかりにくかったんです。なので、フォーマットであったり1つの共有の形を用意して、ちゃんとした資料をつくる、資料作りのイロハのイがこれをキッカケに始まりました」(篠崎氏)

「制度には、まだまだ工夫の余地はありますが、社員から様々な要望の声もありさらなる活性化の材料になるのではないかと思っています」(渋谷氏)

ナレッジマスター表彰制度の仕組み

新しい生活様式へのチャレンジ

Fleekdriveの選定から、導入までの社内調整を推進された成田和弘氏(以下、成田氏)からは、Fleekdriveを活用し働き方改革へコミットした今後の展望について語ってくれました。

「Fleekdriveを導入させていただいて、効率的には渋谷と篠崎がお話したような効果が出ていて非常に喜ばしいことです。ただ、完全在宅をする上で拠点にあるNASが邪魔だと情シスと共に話しているんですよ。Fleekdriveを事業拠点だけでなく全社規模で進めるためにも、最終的にはPCAの拠点にあるNASを全部なくす事が野望です」(成田氏)

ニューノーマルと呼ばれる時代が到来した昨今、テレワークや副業といった柔軟な働き方、子育てや介護、プライベート充実を考慮した勤務形態等、ワークライフバランスを考慮した多様なワークスタイルが求められています。 FleekdriveはPCAのタグラインである「働く、が変わるとき。」を実現するため、さらなる発展のサポートをしていきます。