ワイヤレスでデジタル機器同士を接続できるBluetooth。パソコンやスマートフォンをヘッドホンやキーボードといった周辺機器との接続に使えるほか、デバイス間でのファイル共有にも使えます。無線LANに比べて通信速度が遅いなどの弱点はありますが、簡単な設定でデバイス同士を接続できるのが強みです。ここでは業務効率化にも役立つBluetoothを活用したファイル共有方法について紹介します。

Bluetoothと無線LANの違いは?

Bluetoothとよく混同されるのが、同じ無線通信技術である無線LANです。無線LANは複数の機器を一度に接続することができます。2.4GHz帯と2.5GHz帯という2つの通信帯を持ち、安定した高速データ通信ができます。機器同士で大量のデータをやり取りするのに向いている方法です。パソコン間でのファイルのやり取りや、プリンタなどの共有、インターネット接続などに使われています。

一方のBluetoothは近距離にあるデジタル機器を一対一でつなぎます。通信帯は2.4GHzのみです。通信速度や通信距離が無線LANより劣る代わり、消費電力の少なさという点では優れています。ワイヤレスでマウス/キーボードをつなぐ、ヘッドホンを接続して音楽を聴くなど、音楽プレーヤーやスマホといった小型の機器同士の接続にもよく使われています。

パソコン同士をBluetoothでファイル共有するには?

パソコン間でファイルを共有するには、OSの標準機能を利用するなどさまざまなやり方があります。Bluetooth機能搭載モデルのパソコン同士であれば、Bluetooth経由でもファイルの共有ができます。Windows同士でも、Windows・Mac間でも使える方法です。

まず、パソコンのBluetooth機能をオンにし、パソコン同士をペアリングします。双方が接続済になっていることを確認したら次の作業に移ります。Macからファイルを送信するときは、「Bluetooth共有」チェックを入れた状態でBluetoothメニューから「ファイルをデバイスに送信」をクリックします。受信するときは「デバイス上のファイルをブラウズ」からデバイスを選び、ファイルをダウンロードすることでファイルの受信ができます。Windowsからファイルを送信するときは、送信側のパソコンでデータを送信するデバイスを選んで「ファイルの送信」をクリックします。受信するときは「ファイルの受信」をクリックします。

スマホとパソコンのファイル転送はBluetoothが一番お手軽

パソコンとAndroidスマホをペアリングすれば、パソコン・スマートフォン間のファイル転送も簡単です。たとえばWindowsの場合、パソコンからAndroidにファイルを送るときは、パソコン上のユーティリティから「ファイルの送信」でファイルを直接送信できます。Android側からファイルを受信するときも「ファイルの受信」をクリックすればOKです。Android側からパソコンにデータを転送したいときは、転送するファイルを選択し、共有メニューから「Bluetooth」をタップでパソコン側にデータを送信できます。Androidが送信側になるときは、あらかじめ「Bluetooth File Transfer」や「Bluetooth経由でファイルを転送する」などのアプリをダウンロードしておくと便利です。

Bluetooth機能は普段から使っている?

ファイル共有に限らず様々な使い方ができるBluetoothですが、日常的に使っている人はどれくらいいるのでしょうか。全国の男女を対象にアンケート調査を実施しました。

【質問】
スマホやパソコンに付いているBluetooth機能を普段使っていますか?

【回答結果】
使っている:36
使っていない:64

【アンケート概要】
調査地域:全国
調査対象:【年齢】20 –
調査期間:2017年04月27日~2017年05月04日
有効回答数:100サンプル

意外に使いこなすのは難しい?

調査の結果、「使っていない」と答えた人が6割を超えることが判明しました。

  • Bluetooth機能の使い方がいまいち理解できない。(33歳/女性/専業主婦(主夫))
  • 使いたいがうまく使いこなせていないのが現状(40歳/女性/派遣社員)

「使い方がよくわからない」という人も多いようです。一方、日常的に使っていると答えた人の声も紹介します。

  • 音楽などをナビに飛ばしてそこでカーコンポで聞いています(43歳/男性/会社員)
  • データを移すのに便利だからです。(24歳/女性/パート・アルバイト)
  • 長い文章を打つ時に、キーボードをつなげています。(37歳/男性/会社員)

音楽を聞いたり、キーボードやマウスを繋いだりと活用している人は大いに活用しているようですね。使いこなしている人の声を聞く限り、Bluetoothは使う気になればだいぶ便利に使える機能のようです。しかし、データをデバイス間で簡単に共有できるという点については大きなリスクも孕んでいます。これは特にビジネスの現場では問題です。具体的にそのリスクについて見ていくことにしましょう。

Bluetoothに潜む情報持ち出しリスク

Bluetoothの職場利用については、情報漏えいのリスクが指摘されています。職場によっては、業務で使うパソコンにBluetooth経由でキーボードやマウスを繋いでいるケースもあるかもしれません。しかし、これが社員個人のスマートフォンだとしたらどうでしょうか。私用のスマートフォンと会社用のパソコンをペアリングすれば、USBメモリやケーブルを使わずともBluetooth経由でパソコン内に保存された機密情報を持ち出すことができてしまいます。Bluetoothは通信速度が遅いものの、通信距離は10mもあり、しかも間に障害物がある状態でも通信できます。誰にも気づかれないまま、カバンやロッカーにしまったスマートフォンにファイルを転送できてしまうのです。こうした情報持ち出しを防ぐためには、パソコン側でBluetoothを利用したデータ通信を制御する必要があります。

まとめ

Bluetoothはデバイス間のファイル共有にも活用できます。しかし、特にビジネスユースの場合、Bluetoothを使ったデータ共有には大きなリスクが伴います。情報漏えい防止という観点からは、社員が職場でBluetoothを使うのを認めるのは難しいでしょう。社員間でのファイル共有を推進するのであれば、セキュリティ面で優れたシステムを導入するのがより現実的な方法といえます。

我々の提供するオンラインストレージサービス「Fleekdrive」であれば、情報漏えいなどのリスクを回避した上で、簡単にファイルを共有する事ができます。Fleekdriveのファイル共有については別記事に記載していますので、ぜひ一読頂ければと思います。

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