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問題の原因を探る2つの手法!特性要因図となぜなぜ分析の違いは?

菅原 輝之 菅原 輝之
2017-06-21 | 特性要因図

何か問題が発生したとき、その原因を探る手法としてよく用いられるのが特性要因図となぜなぜ分析です。この2つは一見よく似ているため、往々にして混同されがちです。しかし、特性要因図が物事の関連性を把握するのに使う、なぜなぜ分析は1つの現象に対する原因を論理的に掘り下げる、といったようにその目的や性質は全く異なります。それぞれに優れたツールではありますが、仕事の改善につなげるためには両者の違いを知り、正しく使うことが必要です。

なぜなぜ分析とは何か

なぜなぜ分析とは、徹底した生産管理・効率化を目指す「トヨタ生産方式」において、使われる問題解決の手法です。トヨタ自動車の元副社長、大野耐一らによって体系化されたものです。もともとはトヨタ自動車内で使われていたツールでしたが、「トヨタ生産方式」の普及とともに他業種にまで広まりました。なぜなぜ分析では、トラブルが発生したとき、「なぜ」起きたのかという原因となる事実を追求し、問題の解決策を探っていきます。「なぜ」「なぜ」を繰り返して、問題となる現象が起きた原因を段階的に掘り下げていき、最終的に真の原因(真因)にたどり着くことが目標です。ある現象が起きたら、まず「なぜその現象が起きたのか」という原因となる事実を確認し、これを第一要因とします。第一要因が判明したら、今度は「なぜ第一要因は起きたのか」と自問自答し、そこで見つかった原因となる事実を第二要因とします。この作業を第二要因、第三要因と、真因にたどり着くまで繰り返していきます。5回「なぜ」という自問自答を繰り返せば、真因にたどり着けることが多いといわれています。ただし、あくまでも重要なのは真因を見つけることなので、5回という回数にこだわる必要はありません。

なぜなぜ分析を使ったことがある人はどのくらい?

トヨタ生産方式の1つとして有名ななぜなぜ分析。実際に仕事で使ったことのある人はどれくらいいるのでしょうか。全国の男女150名にアンケート調査を実施してみました。

【質問】
仕事でなぜなぜ分析を使ったことがありますか?

【回答結果】
ある:31名
ない:119名

調査地域:全国
調査対象:年齢不問・男女
調査期間:2017年02月24日~2017年03月01日
有効回答数:150サンプル

なぜなぜ分析以外にもいろいろな対処法が

調査の結果、なぜなぜ分析を使ったことがあるという人は実は少数派ということが分かりました。

・教育の仕事をしているが、自作の教材に対して生徒の反応が悪かったときに、なぜなぜ分析をしてみた。すると、教材を作ったときに自分では気づかなかった生徒の気持ちが分かり、改善に役立った。(40代/女性)
・仕事で分析する仕事を担当した時。(40代/男性)

自発的に行った経験のある人のほか、職場でシステムとして取り入れられている人もいるようです。一方、「ない」と答えた人は、仕事上の課題についてどのように対処しているのでしょうか。自分なりの対処法を教えてもらいました。

・仕事がうまくいかないときは、遊んでみたりストレスの解消をするようにしています。(40代/男性)
・周りの人間の意見なども聞いてみて、自分以外の客観的な視点からの意見を貰う。(30代/女性)

気分転換をする、同僚や上司に相談する、といった対処法をしている人が多く見られました。人によってさまざまな対処法があることが分かります。問題解決のための手法は人それぞれで違います。なぜなぜ分析や特性要因図といった問題解決ツールを活用するのと並行して、いろいろな対処法を試してみるのも手かもしれませんね。

特性要因図となぜなぜ分析の違いは?

問題の原因を追求し、解決策を導くための有効なツールは、なぜなぜ分析だけではありません。クオリティコントロールで使われる特性要因図というツールもあります。これらのツールはともに問題解決を目的としていますが、全く違う異なる性質を持つものです。なぜなぜ分析の特徴は、「事実」に基づきながら問題の原因を掘り下げていく点にあります。分析を行う際、調査やヒアリングなどで裏付けされた客観的な事実から離れてはいけません。現実に起こっていないことについては、検討してはいけないのです。なぜなぜ分析では、ある事実に対する原因を発見することが目的になります。これに対して、特性要因図では推論が許されます。要因と結果の間に妥当性があれば、考えられそうな要因をどんどん列挙していっていいのです。特性要因図を書く目的は、問題(特性)を引き起こしていると推測される原因(要因)を見つけ出すことです。ここで得られる分析結果は仮説に基づくものになりますので、別途検証が必要です。その代わり、現実にある事実以外の事柄についても分析できるため、すでに発生したトラブルを解決するだけでなく、まだ起きていないトラブルに対して対策を講じる目的でも使うことができます。

特性要因図を書くときになぜなぜ分析をするのは間違い?

事実の原因を探るなぜなぜ分析に対し、特性要因図では推測される要因を探します。特性要因図では、考えられそうな要因を漏れなく検討し、その中から問題点となりそうなことを見つけ出していくのです。一方、なぜなぜ分析では、現象と要因、あるいは要因と要因の間に、明らかな因果関係が要求されます。「Aが起こったからBが起きた」と客観的に証明できるものしか、分析の材料に使ってはいけません。あくまで事実を観察・調査し、それに基づいて原因を究明すること、さらには狙い通りの改善策を見つけることが求められているのです。こうした両者の違いから、なぜなぜ分析を、特性要因図における要因を考える際に使うのは誤りといえます。なぜなぜ分析における要因は事実に基づく縛りがあるため、特性要因図における要因よりも扱う対象は狭いのです。特性要因図では、自由な発想で物事を関連づけることが許されているため、まだ現実の課題から起こっていない未来の問題に至るまで、幅広い選択肢の中から検討を加えていくことができます。したがって特性要因図を書くときに、なぜなぜ分析を行ってしまうと、検討漏れが生じてしまい、かえって正しい答えにたどり着けない可能性があります。

なぜなぜ分析と特性要因図、2つの手法の違いを押さえよう

なぜなぜ分析の結果を特性要因図にまとめることは可能ですが、その逆ができるとは限りません。検討する課題によっては、特性要因図を書くときになぜなぜ分析を行ってしまうと検討漏れが発生してもらうおそれがあります。このことは特性要因図を使い、まだ起こっていない問題について予防策を講じるときに特に問題になります。正しく問題点を把握するためにも、2つの手法の特徴をきちんと理解しておくことが大切です。

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